――タッグを組んでいる陣さんについてはいかがでしょう?
陣くんは僕よりも20歳ぐらい若いし、かつアーティストなので、僕とは違って、ラップの曲にしても、TikTokの曲にしても、直で同じステージに立っているから、面白いですよね。でも、そんな陣くんでも最近ヒットしている曲には知らないものがあったり、YOASOBIがゲストに来てしゃべったことは、他のメンバーに対して自慢できたりするみたいで(笑)。そういう部分も含めて、面白い存在だと思います。
――番組には毎週ゲストがいらっしゃいますが、迎え入れるにあたって意識されていることはありますか?
これは昔からそうなんですけど、まずは気持ちよくなってもらう。ラジオだから云々という話ではないんですが、その時間が楽しかったなって思ってもらえることが大事だと考えています。
――ゲストの皆さんに対して鈴木さんが強い興味を持っているのも放送から感じます。
僕自身が呼びたい人を呼んでもらっているのもありますけど、単純に僕は好奇心が強いんだと思います。自分が放送作家というのもありますけど、仕事の1番核にしている部分は好奇心だったりするので、そういう意味ではこの番組がすごく合ってますよね。
――その好奇心が年々衰える感覚ってありますか?
いや、好奇心はたぶん能力なので、鍛えていかないと落ちると思いますよ。
――常に意識して鍛えていると。放送作家がパーソナリティを務めるという形は昔からありますが、一方で裏方のままでいらっしゃる方も多いです。鈴木さんはなぜラジオパーソナリティをやろうと思ったんですか?
声をかけてもらったからですね(笑)。始めたのは2004年からなんですが、そのときに小川(聡、現エフエム東京常務取締役)さんが声をかけてくれて。僕が書いた『ブスの瞳に恋してる』が出た頃です。最初に打ち合わせをしたとき、小川さんが「これから絶対に裏方が前に出てくる時代が来ると思うんです」と言ってたんです。それも単純にテレビに出るというような露出じゃなく、「裏方がもっと発信していく時代が来ると思うんだよね」と。当時は正直ピンと来なくて、「ああ、そうなんだ」って風にしか思わなかったですけど、今、まさにそうなっていますね。
――本当に時代を先取りした感覚ですね。
あとは、僕はパーソナリティだけじゃなく、ドラマの脚本をやるときにも、舞台をやるときにも常に言うんですけど、“放送作家の僕がやっている”のをすごい大事にしています。パーソナリティも脚本もプロと比べるんだったら、プロの人がやればいいんです。僕は脚本も書かせてもらいますけど、放送作家の僕だから書けることを意識しています。
――小川さんからTOKYO FMの『よんぱち 48hours ~WEEKEND MEISTER~』のオファーを受けたとき、迷いはありましたか?
最初は番組が4時間だったんで、「長いなあ」とは思ったんですけど(笑)。でも、単純に楽しみが大きかったですかね。
■「パーソナリティを経験することはプラスに」
――『よんぱち』から足かけ16年以上もTOKYO FMで番組を担当されています。放送作家がパーソナリティを経験することは、放送作家という仕事にとってプラスにはなりましたか?
めっちゃなります。何事も経験するのは大事で。もともと僕は放送作家になりたいと言って、19歳で太田プロの門を叩いたんですけど、そのときに僕の放送作家の師匠である前田昌平(放送作家)さんに「半年間、舞台に出ろ」と言われたんです。なぜなら「最近は演者の気持ちがわからない作家が多すぎる」と。そのときに半年間、ピン芸人として自分でネタを作って出たんですけど、やっぱりウケなかったんですね。
――当時は松村邦洋さんに可愛がられて、U-turnが同期だったそうですね。
例えば、200人入る会場だとすると、目の前に人が200人いて、目が400個あるんですよね。観客側だったら400個の目が自分に向くという感覚を知らないわけですけど、舞台の上に立つと400個の目が自分を見ている。しかも、みんな僕の芸に期待してないわけです。その経験はとても大きかったですよ。だから、どんなにウケてない芸人さんでも、まず舞台に立っている時点で自分より上だなと思うんですね。なので、ラジオに対してもパーソナリティを経験することはプラスになりました。
■鈴木おさむ
1972年4月25日生まれ。千葉県出身。大学在学中に放送作家デビュー。多数の人気バラエティ番組を担当。近年は『M 愛すべき人がいて』(2020年 テレビ朝日系)、『先生を消す方程式。』(2020年10月31日スタート テレビ朝日系)などの脚本も務める。SNSにて連載中の16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当。また、陣(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)とともに、TOKYO FM『JUMP UP MELODIES TOP20 supported by Ginza Sony Park』(毎週金曜 12:00~)のパーソナリティを担当している。
■TOKYO FM『JUMP UP MELODIES TOP20 supported by Ginza Sony Park』(毎週金曜 12:00~14:55)
人気放送作家としてコンテンツの今を創り続けている鈴木おさむ氏と、次世代を担うアーティストTHE RAMPAGEのリーダー・陣が、今最も世の中に聴かれているポップミュージックトップ20を3時間でカウントダウン! 仕事や勉強で1週間がんばったあなたに、日本中の人気を集め心をつかむ音楽20曲をまとめてチャージ。今だからこそ話を聞きたい、ここでしか出演しない、旬のゲストも生登場。