確定拠出年金(個人型: iDeCo)という言葉を聞いた経験がある人もいらっしゃるでしょう。iDeCoは公的年金を補完するための制度で、20歳以上60歳未満のほとんど誰でも加入できます。

加入できない例としては、農業年金の被保険者、国民年金の保険料納付を免除(一部免除、学生納付特例、納付猶予を含む)されている方(障害基礎年金の受給者などを除く)、企業型確定拠出年金に加入している方で、個人型に加入を認められていない場合などです。

転職したり、退職したりしても引き続き掛け金を拠出して、運用を継続できます。掛け金は月々5,000円から1,000円単位で設定でき、年1回変更できます。ボーナス時などにまとめて数カ月分拠出することもできます。

受け取りは原則60歳からで、加入年数に応じて受け取り開始年齢が異なります。10年以上加入していれば60歳から受け取り可能となります。受け取り方法は年金のように定期的に受け取る方法、一時金で受け取る方法、それらを組み合わせて受け取る方法を選択できます。

運用商品は

運用商品は「生保」「定期預金」「損保」などの元本確保商品や「株式型」「債権型」「バランス型」などの投資信託などがあります。リスクや運用実績に違いがありますので、自分のニーズに応じて選択できます。

掛け金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税です。受け取る方式は5~20年間の年金として受け取る「年金型」、一括で受け取る「一時金」、それらを組み合わせる方式などがあり、それぞれ一定の控除が受けられます。

iDeCoには手数料がかかります。加入や移管時、収納時のほか、運営管理を行う金融機関の手数料がかかります。さらに運用商品によっては投資信託の信託手数料がかかる場合があります。金融機関の手数料や信託手数料は、金融機関や運用商品によって異なりますので、金融機関を選ぶ際には注意ください。

■ 筆者プロフィール: 佐藤章子

一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。