保険は大きく「生命保険」と「損害保険」に分けられます。まずは生命保険について詳しくみていきましょう。

  • 主な生命保険の種類

保険の掛け方の基本的な考え方

生命保険の基本的な考え方

「終身保険」は保険金が必ず支払われる保険です。そのために保険料は高くなります。一方で「定期保険」の保険料は基本的に掛け捨てで、決められた期間に死亡などがなければ、その間の保険料は戻ってきません。保険料はその分、安くなります。子育て中で教育費がかかるなど、保険金を高めに設定しなければならないときに利用される保険です。

保険には積立式などいろいろなタイプがありますが、相続対策などの特殊なケースでない限り、資産形成は預貯金か投資で行い、保険は困ったときのための掛け捨てと考えるのが基本です。

生命保険の保険金額の設定

生命保険の額は、周りのみんなが掛けている額ではなく、簡単に言えば次の3つのStepで計算します。つまり、今後人生で必要となる総支出から、同じく今後得られる総収入を差し引いた結果、万一不測の事態が起きたときに不足する額が必要生命保険額となります。

現在の資産状況や収入は各家庭によって大きな違いがあるため、各々で計算せねばなりませんか極端な例として、夫婦共に公務員であり、今後も共働きを続ける予定であるケースは、片方の収入だけで今後の生活が賄えるために、さして生命保険を掛ける必要がありません。贅沢をしなければ、預貯金などの資産も増えていくはずです。一方、同程度の収入の自由業の夫と専業主婦の妻の家庭では、万一の場合のリスクは格段に大きくなるでしょう。

有事の際に「いつ」「どのくらい」生活資金が不足するかは、生涯収支表(ライフプランニングシート)を作成すると明確に把握することができます。無駄な保険を避けるために、30歳までに一度はライフプランニングシートを作ってください。なお、生命保険会社は、Step2の収入を考慮に入れないか、過小評価して算定しがちということを知っておいてください。

Step1

働き手が死亡や障害を負ったときなどの場合、今後どの程度の生活費(療養費・教育費・老後の生活費などをすべて含む)が必要かを考える

Step2

現在の資産の額(預貯金など)と今後得られる資金(退職金や遺族厚生年金・配偶者の年金、今後働いて得られる配偶者の収入など)の額を算定する

Step3

Step1の額からStep2の額を差し引いた額を必要生命保険料とする