ちずにずっと笑っていてほしい

――『リターンズ』では、ちずが結婚して妊娠中に浮気されて、離婚してシングルマザーになっているという激動の人生を送ってきたことが明らかになりましたが、初めて知ったときどう感じましたか。

初代連ドラでは、同年代ということもあり、ちずと同じペースで一緒に人生を歩んでいる感覚でしたが、急にすごく抜かされたなと(笑)。私はまだ結婚も出産もしていないので、ちずを演じるにあたって頑張って想像したのですが、どんなに想像しても追いつかなくて。お芝居をするうえでの課題ですね。ちずは弱いところや努力してるところを人にあまり見せない性格だから、妊娠中に浮気されて離婚するってすごくつらいことなのに、笑いながらさっぱり口にしていて。ちずの強さがブレないことを大事に、役作りをしています。

内田理央

――その強さもだと思うのですが、ちずの好きなところ、愛しいなと感じるところは。

性別や年齢関係なく、人をフラットに見られるところや、前向きでさっぱりとしているところ、心の広さが魅力的だと思います。さすが春田の幼馴染みだなと。人生が破天荒すぎて心配になるときもあるので、私としては、今でも十分幸せだと思いますが、ちずにずっと笑っていてほしいと強く思っています。

田中圭と林遣都にあげたい賞

――田中さんと、林さんのすごいなと感じるところや素敵なところに「〇〇賞」と名前を付つけて、それぞれ賞をあげるなら、何賞をあげたいですか。

圭さんは、「座長で賞」。初代連ドラのときか、皆が圭さんを大信頼していて、圭さんについていこうという雰囲気が出来上がっていたのですが、その座長ぶりは『リターンズ』でも変わりません。『おっさんずラブ』チームが一つにまとまっているのは座長のおかげです。

――林さんは。

「不器用で熱すぎで賞」にします。発言が少しズレていたり、いつも何かが抜けていたりするのですが、常に誰よりも熱いところが魅力的です。私が悩んでいるときは、熱く話を聞いてアドバイスしてくれたし、『リターンズ』の第1話を見たあとは、お芝居を褒めてくれて。うれしかったんですけど、なぜか100回ぐらい同じところを褒めてくれるので、「もういいよ!?」って(笑)。

――何回も褒めたいくらい、熱い思いがあったんでしょうね(笑)。

誰よりも、『おっさんずラブ』のこと、牧のことを熱く考えています。年上で先輩ですが、かわいい人です。

第7話のストーリーに「私自身も救われた」

――第6話では、ちずが春田と牧の結婚式の出欠の返事をまだできていないというシーンがあります。返事が遅くなった理由を、内田さんはどう考えて演じましたか。

第7話ではちずが倒れてしまうので、その予兆のように感じていました。子育てとお仕事で忙しくて、いっぱいいっぱいで、周りに助けてくれる人はたくさんいるのに、弱みは絶対に見せたくなくて、うまくやりたくて。一人で戦っているような気持ちになってしまっているちずの、溜まっていたものが第7話で一気に押し寄せてしまうんです。世の中には、ちずのように責任感の強い方がたくさんいると思います。周りに頼る勇気や休むことの大切さ、強さだけが強さじゃないんだよ、弱くてもダメなところがあっても大丈夫なんだよ、と伝えてくれるようなストーリーに、私自身も救われました。ちずにスポットライトを当ててもらえた第7話は、私にとってもちずにとっても、すごく大切なエピソードになっています。楽しみにしていただけたらうれしいです。

『リターンズ』での推しキャラ

――では最後に、内田さんが『リターンズ』で推しキャラを挙げるなら……やはり秋斗でしょうか。

今は第4話を見たばかりなので、秋斗熱が高いです! 第6話では、春田が秋斗の真似をするシーンが出てきますが、自分で自分の役を下手に演じるって高等技術ですよね。『おっさんずラブ』のキャラクターは全員大好きで、尊敬しているのは春田ですが、最近は部長(吉田鋼太郎)がかわいくてかわいくて、愛しすぎて、部長を見るだけでうるうるしてしまいます。

――それは『リターンズ』で新たに芽生えた思いですか。

春田が牧と結婚して、手の届かない存在になっているからこそ、「はるたーん!」という叫びも、大好きな気持ちが抑えられているように感じて、すごく切なくて。かわいいけど切ない、正に『おっさんずラブ』のヒロインだなと思います。

  • 内田理央

『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系 毎週金曜23:15~※一部地域除く)
初代連ドラから5年の時を経て待望の復活を果たす『おっさんずラブ-リターンズ-』では、アラフォーになった春田創一(田中圭)、牧凌太(林遣都)の“夢の新婚生活”を描く。16日放送の第7話「君たちはどう生きるのかい」では、牧との結婚式を無事終えた春田のもとに荒井ちず(内田理央)が倒れたという連絡が。早速、保育園にちずの息子・吾郎(佐藤大空)を迎えに行くことに。一方、病院に付き添った牧と栗林歌麻呂(金子大地)は、ちずから兄・荒井鉄平(児嶋一哉)と舞香(伊藤修子)は子どもたちを連れて初めての海外旅行中なので、絶対に連絡しないでほしいと頼まれる。倒れてなお無理しようとするちずを心配した春田と牧は、入院中は吾郎を預かることに。しかし、帰宅した牧は、変わり果てた家の惨状に言葉を失う。思った以上に3歳児は“怪獣”で……。一方、体の不調を自覚し始めた黒澤武蔵(吉田鋼太郎)は、元妻・栗林蝶子(大塚寧々)に背中を押され、病院へ。そして春田への思いを封じ込めようと苦悩する和泉幸(井浦新)のもとには、六道菊之助(三浦翔平)が、任務中に負傷したと公安から連絡が。