連載「ワーママのモヤモヤ整理します」は、託児付きランチサービス「ここるく」の経営者で、育休復帰・働き方改革のコンサルティングも手掛ける山下真実さんが、ワーママが抱えるモヤモヤに寄り添い、気持ちを整理していく企画です。
新しいことがスタートする春。育休を取得していた方々が職場復帰するシーズンでもありますね。そこで今回は特別編として、「育休復帰前・座談会」を開催。育休コミュニティ「MIRAIS」メンバーの中でもこの春復職を予定しているお二人を招いて、復帰前のモヤモヤについてお話しいただきました。
【お悩み1】派遣社員としての復職に不安、今後のキャリアはどう作る?
お一人目は、産休に入る前まで、新聞社で派遣社員のライターをしていたかなでさん(35歳)。初めての出産を経て、春からも同じ職場で働く予定ですが、今後のキャリアについて、モヤモヤを抱えているといいます。
「派遣社員という立場での復職になるので、今後のキャリアに不安があります。現状、正社員として登用していただくことは難しそうで、3年後はまた違うお仕事を探さなければなりません」
メーカー勤務、フェアトレード関連の会社でアルバイト、地方での古民家再生、ライターと、職歴に統一性がないこともお悩みの一つなんだとか。
「職を転々としてきたので、一つのスキルに対して蓄積が少なく、派遣契約終了後、どういった仕事に就くべきなのかも見通しが立ちません。娘を同じ保育園に通わせ続けてあげたいので、3年後にはうまく転職したいと思っているのですが、まずは復職後、どのようなモチベーションで、どんな風に働いて、3年後に対して何をしていけばいいのか分からない状態です」
【お悩み2】育休をきっかけに『これからも今の仕事でいいの?』とモヤモヤ
もうお一方は、産前、地方銀行の特定職として働いていたりょうこさん(31歳)。2人目のお子さんの出産を経て、この春一度は同じ職場に復職予定ですが、希望している職種につけるか未定で、今後のキャリアについて不安を感じてしまうといいます。
「産前は銀行で窓口対応をしており、やりがいも感じていましたし、自分に合っている仕事だと思っていました。しかし1人目出産後、復職してすぐに転勤、未経験だった外回りの営業を任されることになったんです。時短勤務でありながら、ノルマはフルタイム勤務の人と同じ、自分にとっては苦手でつらい仕事でした。今回も同じような状況になったらと考えると不安で……」
特定職という職種上、どんなに仕事をがんばっても出世の見込みは薄いこと、希望外の仕事をこれからもずっと任され続ける可能性があること、考えうる将来を頭に浮かべてはモヤモヤ……。
果てには転職も考えてみたそうですが、なかなか希望の職種の求人を紹介してもらえず、決めきれないといいます。
「福利厚生や給与面では銀行で働くことの優位性も感じているので、"子育てしながら働きやすい、この環境を手放してまでやりたい仕事はあるのか? 自分が我慢すればいいだけなのでは?"とも考えてしまいます」
お二人のモヤモヤを聞いて、山下さんが感じたことは……?(次ページへ)