問題をおさらい!
正解はこちら!
【答え】ホンダ「カブF型」
正解は「カブ」の元祖、「カブF型」でした!
「カブF型」は1952年にホンダが発売した自転車用補助エンジンで、これが「カブ」という名前を付けられた最初のモデルです。
終戦から間もない時代、クルマはもちろん、オートバイも庶民には手の出ない高価な乗り物でした。そこで、自転車に発電機などの小型原動機(エンジン)を後付けするというアイデアが生まれます。これが「原付」、つまり「原動機付自転車」のルーツです。
大半の後付け原動機はハンドルとサドルの間に設置するタイプでしたが、運転手の近くにあるため、騒音や熱による火傷、飛散したオイルで服が汚れるといった課題を抱えていました。そこでホンダ創業者の本田宗一郎氏は、原動機を後輪の左下に設置した「カブF型」を考案します。たった1リッターのガソリンで120kmも走り、最高速度は35km/h、原動機の重さは当時世界最軽量の6キロという高性能ぶりでした。
数えきれないほどの競合製品が存在する中、「カブF型」は独自の「白いタンクに赤いエンジン」というファッション性も話題を呼び、発売からたった5カ月間で累計販売台数2.5万台を突破します。
空前の大ヒットとなった理由は製品自体の魅力によるところも大きいのですが、当時は専務だった藤澤武夫氏による斬新な拡販戦略も見逃せません。
その方法とは、国内約5万軒の自転車屋に、当時としては珍しいDMを送付して販売店を募り、エンジンとタンクを段ボールに箱詰めして配送するというものでした。それまで400店ほどだった販売店は、短期間で1.3万店まで拡大。ここで構築した巨大な販売網が、以後のホンダの快進撃につながります。
こうして自転車用原動機の決定版となった「カブF号」のエンジンは、2ストロークの49.9cc。そう、これは現在の原付(一種)クラスの排気量です。赤く塗られたエンジンから「赤カブ」の愛称で親しまれましたが、その色は現代まで続くホンダのコーポレートカラーにもなっています。
それでは、次回をお楽しみに!