問題をおさらい!

  • バイクのフローティングディスク

    ディスクブレーキに組み込まれたリングは何のためにある? という問題でした

正解はこちら!

【答え】熱対策のため

正解は「熱対策のため」でした!

ディスクブレーキはホイールに取り付けられた円盤(ディスク)をブレーキパッドで挟んでタイヤの回転を止めるシステムです。これくらいならメカに弱い人でも知っているかもしれませんが、このリング状の部品は「フローティングピン」といって、ディスクブレーキの性能を安定させるためのパーツなんです。

金属を含めたほとんどの物質は冷えれば収縮し、熱くなれば膨張します。ディスクブレーキも高速で回転しているディスクをパッドで強く押さえつけるため、摩擦熱で高温になって膨張しますが、冷えたままの内周と膨張率に差ができてしまいます。

バイクのブレーキは走行風で冷えやすいため、普通の乗り方なら問題ありません。しかし、バイクのパワーが上がって高速化すると、ブレーキを酷使するサーキットやワインディングでは放熱が間にあわず、ディスクが歪んでしまうトラブルが発生するようになりました。

ディスクが歪みにくいように厚くしたり、自動車用のように空気を取り込むベンチレーションディスクも作られましたが、バイク用としては重量やコストなどが課題になります。そこでディスクを発熱・膨張しやすい外周(アウターローター)と内周(インナーローター)の2つに分割し、その間をリング状の「フローティングピン」で接続するというアイデアが生まれます。これが現在主流となっている「フローティングディスク」です。

レース用の「フルフローティング」はディスクを揺すればガチャガチャ動くほどのクリアランスを持っています。しかし、限界性能が高くてもピンが摩耗しやすいため、市販車ではウェーブ状ワッシャーで動きを抑えた「セミフローティング」や、一見するとリジットに見えるフローティングの「ハブレスタイプ」のほか、ピンがあるもののほとんど動かない「フローティング風リジット」などが採用されています。

ちなみに、ディスクの素材や形状は冷えやすい工夫がされていますが、走行直後はとても熱くなっています。チェックするために素手で触るとヤケドをしますので注意してくださいね!

それでは、次回をお楽しみに!