問題をおさらい!
正解はこちら!
【答え】ダイハツ工業
正解はダイハツ工業でした!
ダイハツと言えば三輪の「ミゼット」が有名ですが、50ccの三輪モペットも作っていました。このバイクは「ハロー」という名前で、1974年に販売されたモデルです。後に登場するホンダ「ジャイロ」同様、車体中央から左右にスイングする機構を持っています。
この機構はイギリスのエンジニアであるジョージ・ウォレスが考案したものですが、三輪車の安定性と二輪車の軽快な操縦性を両立するアイデアで、1960年代は世界最大級のオートバイメーカーだったBSA(イギリス)の「アリエル・スリー」に採用されました。
しかし、1970年代に入るとイギリスの二輪産業は急速に衰退し、BSAも「アリエル・スリー」の発売から3年後に倒産してしまいます。そこで、戦前からオート三輪で事業を拡大してきたダイハツがウォレスに依頼し、独自の三輪機構を継承して生み出したのが「ハロー」だったというわけです。
「ハロー」は酒屋の配送や牛乳配達といった用途で利用され、電動モデルの「ハローBC」も登場しました。しかし、販売や取り扱いがバイク屋や自転車屋ではなく自動車ディーラーだったこともあり、登場からわずか2年ほどで生産・販売が終了します。オート三輪で名をはせたダイハツでしたが、本格的に四輪の時代が来ることを見据えての判断だったとも思われます。
残念ながら「ハロー」は短命に終わってしまいましたが、決して失敗作ではありませんでした。なぜなら、その後にウォレスから三輪の特許や技術を買い取ったホンダによって、1981年には「ストリーム」、その翌年には現在まで商用三輪として大成功している「ジャイロ」シリーズが誕生しているからです。
もしもダイハツがホンダのようにオートバイ事業も継続していたら、「ジャイロ」ではなく、この「ハロー」がピザやお弁当配達のスタンダードバイクになっていたかもしれませんね。
それでは、次回をお楽しみに!