大きなボケが得られるのもミラーレスのメリットの1つといえます。イメージセンサーが大きいほどボケの表現が豊かになりやすいので、同じシチュエーションで撮影してもスマホよりもミラーレスのほうが大きなボケのある撮影が楽しめます。
近ごろのスマホは、画像処理で背景をぼかせる機種もありますが、輪郭の部分をよく見ると不自然で違和感のある描写になるケースが少なくありません。背景をぼかして被写体を浮き立たせたいポートレートなどの撮影は、まさにミラーレスの出番といえるでしょう。
よく「近ごろのスマホは本当にきれいに撮れるようになった」という話を聞きます。しかし、それはあくまで従来のガラケー(フィーチャーフォン)や古いスマホと比べたときの感想だと私は思っています。スマホは撮影した写真を小さな画面で見ることが多いので、細かな部分が見えづらく、一見すると写りがよさそうに感じるのです。撮影した写真をパソコンに転送して大きな画面で見ると、ミラーレスの写真との違いが鮮明に現れてくるはずです。
次回は、画質以外について、ミラーレスカメラのメリットを見ていくことにしたいと思います。
著者:大浦タケシ
宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマンやデザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。以後、カメラ誌および一般紙、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。日本写真家協会(JPS)会員。