問題をおさらい!

  • ベースとなっているクルマの名前は? という問題でした

正解はこちら!

【答え】シボレー「インパラ」

答えはシボレー「インパラ」というクルマです。

  • シボレー「インパラ」

    ベース車両はシボレーの「インパラ」でした!

シボレーはアメリカのゼネラルモーターズ(GM)が展開するブランドのひとつです。GMにはシボレーのほかキャデラック、ビュイック、オールズモビル、ポンティアックというブランドがありました。現在、オールズモビルとポンティアックは廃止となっています。

シボレーのアルファベット表記は「Chevrolet」。フランス語読みでシボレーとなります。この名はスイス人のルイ・シボレーに由来します。英語圏の人にはやや発音がしにくいこともあり、「シェビー」の愛称で親しまれています。

実は、GMの起こりは1911年創業のシボレーで、そもそもの母体といえます。第二次世界大戦後、GMはブランドごとの特徴づけを進める中で、シボレーを低価格の大衆車的な位置づけとしました。ただし、この場合の「大衆車」という言葉は、日本で感じるような単に安くて実用的な廉価版のクルマというよりも、姿かたちは格好よく、高性能車もそろえ、若い世代に身近なクルマという意味合いが強かったんです。

低価格路線をとったシボレーですが、その中から「フルサイズ」と呼ばれる最大級の車体寸法の選択肢として「ベルエア」というクルマが生まれます。これにはV型8気筒エンジン搭載モデルがありました。その上級車として、1958年に「インパラ」がラインアップに加わります。2世代目以降は、そのインパラがシボレーのフルサイズカーを代表するようになりました。

  • シボレー「インパラ」
  • シボレー「インパラ」
  • これもインパラ

  • シボレー「インパラ」
  • シボレー「インパラ」
  • あれもインパラ

  • シボレー「インパラ」
  • シボレー「インパラ」
  • これもインパラ? これまでと雰囲気が全く違いますね

ちなみに、「インパラ」という車名は動物の「インパラ」に由来します。動物の「インパラ」は鹿のように見える哺乳類で、蹄が2本に分かれる陸生動物です。走れば最速60km/h、ジャンプすれば高さ3m、幅10mといわれる運動能力の高い動物です。シカのように見えたバッジの動物はインパラだったんですね。

  • シボレー「インパラ」

    キャデラックにも使用され、1950年代の象徴ともいえる「テールフィン」という羽根の形をした造形が「インパラ」の後ろ姿を飾りました。豪勢な姿が印象的ですね

1960年代になるとテールフィンの流行は去りますが、フルサイズの象徴ともいえるV8エンジンは依然として健在でした。さらには「SS」(スーパー・スポーツ)と呼ばれる高性能仕様が登場。排気量5.7リッター(348キュービック・インチ)のV8は305~350馬力、6.7リッター(409キュービック・インチ)のV8は425馬力の猛者でした。足元は強化サスペンションで武装していました。

この時代までにインパラというクルマの価値が定着し、シボレーのなかの憧れの1台となりました。日本を含め、当時のインパラを用いたドレスアップやカスタマイズはいまなお人気を得ています。

その後、1970年代はアメリカ車全般に厳しい時代となります。排出ガス規制や石油危機による燃費への厳しい目が消費者から向けられ、インパラもフルサイズとはいいながら、車体はやや小型化します。

しかしエンジンは、シボレーを代表するスポーツカーの「コルベット」やスポーティーな「カマロ」と基本を同じにするV8エンジンをSSで搭載し続けました。インパラは継承してきた伝統を保ちながら、サスペンションに操縦性を重視した仕様を設定するなど時代の変化にも適応しつつ、精悍な姿を存続させていったのです。

ただ、環境への適合が不可避な時代になると、エンジンはV型6気筒や直列4気筒、またマイルドハイブリッドなどに変わっていきました。

インパラの販売は2020年をもって終了しています。

それでは、次回をお楽しみに!