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【答え】日産「パトロール スーパーサファリ」
答えは日産自動車の中東法人が販売していた「パトロール スーパーサファリ」です。
日産「パトロール」自体は1951年に登場した警察予備隊向けの四輪駆動車が初代(60系)モデルでした。以降は、その車名が示す通り警察や消防、軍用の車両として世代交代を繰り返してきました。
海外向けはダットサンブランドで一般販売されていましたが、日本でも3代目の160系(1980年~)から名前を「サファリ」に変えたカタログモデルとして販売が始まりました。市販モデルなので、さすがに「パトロール」の名称はダメという判断だったのでしょう。
パトロール スーパーサファリのベースは1997年に登場した5代目(Y61系)。中東向け「パトロールサファリ」の上級モデルという立ち位置です。ボディサイズは全長5,080mm、全幅1,940mm、全高1,855mm、ホイールベースは2,970mmと巨大なクルマで、搭載するパワートレインは最高出力280PS/4,800rpm、最大トルク46.0kgm/3,600rpmを発生する排気量4.8Lの「TB48DE」型直列6気筒ガソリンエンジンでした。ボディサイドには「4800 VTC」(VTCはバルブタイミングコントロールの頭文字です)と「SUPER SAFARI」の文字が誇らしげに描かれています。
ラダーフレームに装着したサスペンションは、テレスコピックショックアブソーバーとトーションバーを組み合わせた前3リンク、後5リンクのヘビーデューティコイルスプリング。ハイパワーなエンジン(TB48型はチューニングが容易で、さらなるハイパワーバージョンが中東で人気だったとのこと)と組み合わせることで、高速道路でのハイスピード走行と砂漠のさまざまな地形に対応したオフロードでの走りを両立したモデルとなっていました。
砂漠の細かい砂がエンジンやミッションの内部に入りにくい構造になっており、そのタフさが彼の地でも人気の理由になっていたそうです。ちなみに燃料タンクは95L+40Lの予備タンクとなっていて、長大な航続距離も自慢です。
3列シートの室内は上質な仕上がり。鮮やかなレッドのレザーシートには「SUPER SAFARI」のエンボス加工が施されています。大径のステアリングホイールはレザーとウッドのコンビタイプ。同じウッドはシフトレバーやエアコンダクト、ドアハンドルの周囲にも使われています。
電子制御式パワステ、クルーズコントロール、タイヤ空気圧監視システム、ABS、デュアルフロントSRSエアバッグ、ビークルダイナミックコントロール(VDC)など機能も充実。王族やVIPに愛用されるのも納得の完成度です。アラビア文字で書かれたカタログも、それらしい雰囲気を出しています。
Y61型サファリ スーパーパトロールは惜しくも2024年6月で生産終了となりましたが、今年9月には中東UAEのアブダビで7代目となる新型「パトロール」がデビューし、11月に販売が始まったというニュースが入ってきています。ぜひ日本でも、ランクルのライバルとして発売して欲しいものです。
それでは、次回をお楽しみに!