■コンパクトな雲仙温泉街を楽しむ

  • 「お食事処 たら福食堂」の絶品ちゃんぽん

温泉に入って、気分もすっきり。次に立ち寄ったのは、雲仙温泉街の中心部にある「お食事処 たら福食堂」。こちらは「ちゃんぽん」だけなく、長崎名物「トルコライス」や「さらうどん」もある、アットホームな食堂です。

せっかくなら雲仙ちゃんぽんの味比べを……ということで、今回はちゃんぽんをオーダーしました。

ちゃんぽんの麺は少々柔らかめで、女性に嬉しいサイズ感です。バランスのとれたスープがおいしくて、優しさあふれる1杯。あっという間に完食です!

  • 温泉街の中心部にあるので気軽に行けるのが嬉しい

昼食後、軽い足取りで向かったのは、「お食事処 たら福食堂」から徒歩1分の場所にある「温泉神社」。ここは町のご祭神。島原半島にある温泉神社の総本山でもあります。

境内はこぢんまりしていて、ウエルカムな明るい雰囲気。「温泉神社」と書いて「うんぜんじんじゃ」と読む点もユニークです。

  • 樹齢200年を超える「夫婦柿」の木

ご本殿の横には、 珍しい「夫婦柿」の木があります。2本の柿の木が寄り添うように立つ「夫婦柿」には、「あなたの願いが叶います」と、気になる看板が。

……ほんまかいな?! と思いながらも、やっぱり試したい!!

看板に書かれていた「祈願の作法」どおりに、柿の木をなでなでしながらお願い。ちょっぴり周囲の視線が気になりましたが、恥ずかしさを超えて行う祈願は、きっと大きな幸運をもたらしてくれるはず。

  • 焦がさないように、一定のリズムを保って型を返していく

さて、雲仙グルメといえば「湯せんぺい」は欠かせません。「湯せんぺい」とは、雲仙の温泉水を入れて焼き上げるお菓子のこと。

「遠江屋本舗(とおとうみやほんぽ)」では、「湯せんぺい」を手焼きして販売。週末になると、職人さんが1枚1枚丁寧に焼く、みみつき&焼き立てを楽しめます。

通常「湯せんぺい」は製品化するタイミングでみみをカットするため、みみつきの状態で食べられるのは珍しいんです!

  • 美しい型の模様がフォトジェニック

手焼きの「湯せんぺい」は、口の中に入れた瞬間、舌先でとけてしまうほどの軽やかな味わい。中はサクッと甘く、みみの部分は焦げ感もあってもっちもち。ウエハースにも似ているので、お茶だけでなくコーヒーにも合いそうです。

ところで、このお菓子に見覚えはありませんか?

そう! これは、「界 雲仙」の夕食時に「鬼やらい」をしながら割ったお菓子。そんなつながりを知っていると心がほっこり和むだけでなく、ツウな旅ができますよ。

  • ふらっと立ち寄りやすい雰囲気の「湯の里温泉共同浴場 だんきゅう風呂」

雲仙ならではのおいしい思い出を作った後は、シメにもうひとっ風呂。朝一番から絶え間なく人がやってくる、人気の共同浴場「湯の里温泉共同浴場 だんきゅう風呂」へやってきました。

場所は温泉街から一歩奥に入った、住宅街の一角。黄色の文字で「湯の里温泉」と書かれた看板が目印です。

  • 素朴な雰囲気の受付

こちらは、大人1人200円とびっくりする安さ! 2泊3日の滞在中、毎日入っても600円。ランチよりお値打ちに利用できます。

  • 楕円形の趣ある浴槽

「ここのお湯は熱いよ~」と聞いてはいましたが、浴槽に手を入れてみると想像以上に熱いっ!!

気合を入れてチャレンジするも、なかなか浸かれず四苦八苦……。そんな様子を見ていた常連さんが、「ここからだと入りやすいですよ」と優しく教えてくれました。

落ち着きを取り戻し、教えてもらった"湯口から離れた場所"へ。ゆっくりゆっくり入ると、ジンジンする熱さが染み渡ります。慣れてくるとこの熱さが、温泉好きにはたまりません。

「湯の里温泉共同浴場 だんきゅう風呂」では、動力を一切使用せず、パイプだけで地獄からここまで源泉を運んでいるそうです。さすが雲仙の名湯。熱いけど冬の冷えた体には最高でした!

■「界 雲仙」で新鮮な海の幸に浸る夕食

  • 器にもこだわり、目にも舌にも嬉しい会席料理

宿に戻ったらお楽しみの夕食。2日目なので、初日とは違う会席料理を楽しめます。1日目と内容が違う先付け&八寸は、やはり盛り付けが美しい!

特に感動したのがお造り。この日提供されたのは、ブリ・タイ・イカ・マグロの4種類。魚種が豊富な長崎県だからこそ、どれもとびきり新鮮でおいしい感動体験を味わえます。

■選んで、刷って、楽しい、活版印刷体験

  • どれにしようかな? と迷うのが楽しい活版印刷体験

3日目の朝は、ご当地文化を体験できる参加無料の「ご当地楽」にチャレンジ。施設ごとに内容は変わりますが、「界 雲仙」では活版印刷を体験できます。

意外と知られていませんが、日本の活版印刷のルーツは長崎県。16世紀後半、長崎の島原半島に海外から活版印刷の機械が持ち込まれたのが始まりだとされています。

スタッフさんから活版印刷の歴史を学んだら、いよいよ体験! 文字のブロックを1文字ずつ組み合わせ印刷用の版を作り、専用の手動印刷機で印刷し、ポストカードを作ります。

「どんな内容にしようかな?」「どこに配置しようかな?」と、イメージを膨らませながら小さな文字を組み合わせるのが楽しい! ところどころ、ピンセットを使って苦労しながら文字を配置するので、版が完成すると愛着もひとしお。

  • アナログの味わいにほっこり

そうして完成したポストカードがこちらです。活版で押され、デコボコした文字。そこにのるインクの陰影。デジタルにはないあたたかさであふれています。

さらに、出来上がったポストカードを入れるカードホルダーは4色あり、好きな色を選べるのも嬉しい点。歴史に思いをはせながら、世界に一つだけのお土産を作れるステキな体験ができました。

■雲仙温泉から30分の小浜温泉へ

  • 全長105mの足湯は、小浜温泉の源泉温度105度にちなんで作られた

「界 雲仙」をチェックアウトしたら、そのまま帰るのはもったいない!

せっかくなので、施設から車を使って30分で行ける小浜温泉へ立ち寄ります。小浜温泉は海岸に面した温泉地。日本一の長い足湯「小浜温泉足湯 ほっとふっと105」もあります。

橘湾を眺めながら入る足湯は至福の時間です。さすが日本一! 足湯でここまでの開放感は、なかなか味わえません。

  • 温泉の蒸気で食材を蒸し上げる「海鮮市場 蒸し釜や」

「ほっとふっと105」のすぐ横には、小浜温泉の蒸気を利用した「海鮮市場 蒸し釜や」があります。こちらは好きな材料を選んで蒸してもらえるなど、定食メニューも充実。ランチにぴったりなスポットです。

ネタはどれも新鮮。海の幸と温泉のいいとこどりが楽しめます。好きなものを好きなだけ選ぶことができるから、満足度は200%! 蒸し上がった牡蠣やサザエは、ジューシーさがたまりません。

1人でも幸福感いっぱいだったので、みんなでワイワイ体験すればきっと忘れられない思い出になるはず。

絶景温泉も感動グルメもレアな体験も、旅人の欲しいものがすべてそろう「界 雲仙」。日常から離れてワクワクしたい方はぜひ訪れてみてください!

■Information
界 雲仙
【場所】長崎県雲仙市小浜町雲仙321