■お風呂がメインの「客室付き露天風呂」で過ごす

  • お部屋のナンバーは、活版印刷の活字を表現したもの

「界 雲仙」は全51室、すべて長崎文化を取り入れた「ご当地部屋」になっています。特徴的なのは、51室中16室が露天風呂付きの「客室付き露天風呂」になっていること!

初めて聞いた人は「えっ、"露天風呂付き客室"の間違いじゃないの?!」と思われるかもしれませんが、表記はこれでOK。なぜ、そう呼ばれているのか、お部屋の中をチェックしてみましょう!

  • ポップな設えにワクワク。赤い千鳥文様もキュート

扉を開けると、まず目に入るのが「長崎凧(ながさきはた)」をイメージした焼き物。赤・白・青と言えば、和華蘭文化の「蘭」にあたる、「オランダ」の国旗色でもありますよね。

さらに奥へ進むと、ステンドグラスのおしゃれなパーティションが。色とりどりの光を前に、「きれい!」と喜びの声が出てしまいます。

  • ステンドグラスを模した和紙の照明や長崎ビードロがフォトジェニック

そして、パーティションの先に広がるのが、快適なベッドスペースと広々したお風呂スペース!

階段を上がった小上がりの部分は、湯上がりチェアが置かれた「湯上がり処」になっていて、奥のテラスは、ほぼ露天風呂になっています。つまり、滞在スペースの半分以上が、湯上がり処&露天風呂!

お風呂がメインの客室だから、「客室付き露天風呂」の名前が付けられているんです。

  • 真正面に「八万地獄」を、右手に「大叫喚地獄」も望める「605号室」

ということで早速、露天風呂を楽しみます!

湯船につかかると、視界いっぱい地獄の世界……。さえぎる建物が一切ないので開放感抜群。まさに地獄が生み出す大地のエネルギーを全身で感じられます。同じ地獄でも見る時間によって、その姿はさまざま。見飽きることがなく、ずっと眺めていられます。

現在、2021年に発生した土砂崩れによる影響で、地獄へつながる遊歩道は閉鎖中。これから復興していく中で、日々変わり続ける地獄の風景をゆっくり楽しみながら、雲仙の「今」に触れてみてくださいね。

  • お茶請けは、「福砂屋」の「界 雲仙」オリジナルパッケージのキューブカステラ

リラックスタイムに欠かせない湯上がりチェアは、なんと防水タイプ。つまり、露天風呂を出て、ぬれたまま座っても大丈夫……って、こんな客室、見たことありますか?!

ちなみに、客室付き露天風呂は、そのまま湯浴みが楽しめるようにバスローブを完備しています。

  • 長崎木綿のベッドボードにも注目

このほかにも、家族やグループでの利用にぴったりなのが、1室限定の特別室。開放感あふれるゆったりとした空間で、最大4名まで一緒に泊まれます。

特別室は、露天風呂のほかに広々したテラスがあり、非日常感を存分に味わえますよ!

  • おしゃれなイラスト付きの絵巻物で解説

雲仙温泉をもっと楽しむために、ぜひ参加しておきたいのが無料で楽しめる「温泉いろは」。

時間になると、地元の人や観光局の人たちと一緒に作ったという「巨大な絵巻物」が登場。湯守り役のスタッフさんが、温泉の基礎知識やおすすめの入浴法、呼吸法など"温泉のいろは"を伝授してくれます。

実際に聞いてみると、知らないことばかりで「へぇ!」の連続。例えば、令和になってから見つかった、ホットな最新の地獄情報も教えてもらえます!

■ステンドグラスと自然美に癒やされる離れの大浴場

  • ワイルドな景観にぽつんと佇む湯小屋

温泉のいろはを学んだら大浴場へ。

大浴場があるのは、客室棟とは別の"離れ"の別棟。自然と外を歩くことになるので、ひんやり心地よい風が全身を包みます。

  • 内風呂は、源泉100%のあつ湯とぬる湯の浴槽が2つ

中に入ると、雰囲気ががらっと一変。窓から差し込むステンドグラスの光が、室内を色とりどりに照らします。ステンドグラスを通じて差し込む光の美しいこと……! 温泉につかりながらステンドグラスを眺めているだけで、幸せなため息がこぼれます。

  • 地獄の荒々しさが炸裂した露天風呂

体がじんわり温まってきたところで、露天風呂へ。外に出ると、雄大な山並みと大きな空、遠くに大叫喚地獄の白いモクモクが見えます。名湯ぞろいの雲仙で、抜群のロケーションを誇るのがこの露天風呂。美しいステンドグラス空間から……"ようこそ地獄へ!"のギャップがたまりません。

もう一つ、「界 雲仙」の自慢は、雲仙温泉では珍しい単純温泉だということ。硫黄泉が多い雲仙において、この泉質に出会えるのはラッキーです。

単純温泉と言いながら、やや茶褐色に見えるのは、温泉の成分に鉄分を多く含んでいるから。鉄分が多い湯は昔から「女性の体質改善に良い」と言われている、女性に嬉しい温泉です。

■「食べたい!」が全部詰まった夢のしゃぶしゃぶ

  • 角が多い通路は「長崎の路地」をイメージ

温泉を満喫したらお楽しみの夕食タイム。お食事処へ行くと、ユニークなパーティションが次々と現れます。

パーティションは、ステンドグラスで湯けむりを再現したものや中華格子風のもの、波佐見焼の食器を大胆にあしらったものなど全8種類。和・華・蘭が交じり合う、ほかにはない特色を持った空間になっています。

  • 丸いおせんべいは、雲仙の温泉水を生地に練り込んだ郷土菓子「湯せんぺい」

席に着くと、いろんなテーブルから、コンコン!パリパリッ!……と不思議な音が。一体、どんなお料理が出てくるの? 食べる前から、好奇心をくすぐられます。

音の正体は、先付けの「"鬼やらい"湯せんぺい 豚角煮リエット」。

「鬼やらい」とは、この地域で行われている悪いものを払って一年の無事を祈る行事のこと。「界 雲仙」では、そんな「鬼やらい」から発想を飛ばし、手元の木づちを使って、湯せんぺいを紙に描かれた鬼ごとたたき割って鬼を追い払う、ちょっとユニークな体験ができます。

「鬼やらい」をしてみると、胸のあたりがす~っとした感じに……。まるで厄払いでもしたような、すっきりした気持ちになります。

割れた湯せんぺいは、豚の角煮とお味噌を合わせたリエットを付けて一緒にいただきます。食べてみると、湯せんぺいとリエットの相性抜群。サクサクっと軽く食べられて、やみつきになります。

  • 「雲仙地獄 焼酎カクテル」

九州と言えば、焼酎。……ですが、「界 雲仙」に来たら、焼酎を使ったオリジナルカクテルをお試しあれ!

「雲仙地獄 焼酎カクテル」は、長崎を代表する焼酎「ちんぐ」に、乳酸菌飲料やザクロエキスを加えた変化球バージョン。甘くて飲みやすくてヘルシー。焼酎デビューにも、もってこいです。

  • 海の幸の宝庫・長崎の実力を感じられる、鮮度抜群のお刺身に感動!

丸い朱塗りの円卓を囲んで、お料理をみんなで取り分けて食べる、長崎独自の宴会料理「卓袱料理(しっぽくりょうり)」をイメージしたのがこちら。

卓袱料理と聞くとボリュームが多いイメージを持っていたのですが、量的にもちょうど良い! おいしく、楽しく、長崎らしく、小皿に取り分けていただきます!

  • 特別会席のメイン「あご出汁しゃぶしゃぶ」

せっかくの「界 雲仙」。夕食を満喫しようと今夜は特別会席にアップグレードしました。

運ばれてきた「あご出汁しゃぶしゃぶ」を見てびっくり。鍋の中には、大きなあご(トビウオ)が熱い出汁の中で泳いでいます。

  • 肉好きも魚好きも大満足の内容

そして、この豪華な食材をご覧ください!

具材は長崎の和牛、今朝まで生きていた活き伊勢エビ、フグなど見た瞬間から「絶対おいしい!」が伝わるラインナップ。伊勢エビの背後には、そうめんのメッカ・島原にありながら、うどんを作り続けている、こだわりの製麺所の手延べうどんもあります。 ※日によって仕入れ状況が異なります。

  • 滋味深いあご出汁は、そのまま飲んでもおいしい!

食べ方は自由ですが、伊勢エビ、フグ、お野菜を入れて、すべての出汁が詰まった状態で、お肉をしゃぶしゃぶするのがおすすめだとのこと。

和牛に伊勢エビにフグまで、全部一度に食べられるとは、もはや奇跡。今まで食べてきたどのしゃぶしゃぶよりも、はるかにおいしい! 幸福感があふれすぎて胃袋から元気になりました。

  • 地獄は真っ暗で見えませんが、室内の照明が幻想的に輝きます

満腹と幸せの余韻に浸りながら、お部屋の露天風呂でリラックス……。夜空を見上げれば、都会では決して見ることができない美しい星空が広がります。非日常の体験ができて、いつもの温泉旅とは、ひと味もふた味も違う喜びがありました。

後編では雲仙の地獄湯をめぐり、ご当地グルメを満喫し、雲仙地獄パワーウォークにもチャレンジします! ぜひお楽しみに。

続きを読む【後編】地獄なの? 天国なの? 長崎「界 雲仙」で2泊3日の異世界トリップ


■Information
界 雲仙
【場所】長崎県雲仙市小浜町雲仙321