テレビ大好き芸人の橋爪ヨウコです。学生時代はテレビをたくさん見ているというだけで地位を確立し、現在も睡眠時間3時間、テレビ視聴時間12時間の“テレビを愛し! テレビにはまだそんなに愛されていない女…!” そんな私、橋爪がとにかく熱い!と思っているドラマをご紹介していく連載シリーズ「こじらせハスキー・橋爪ヨウコの三度の飯よりテレビが好き!」。
今回は、夫婦のセックスレスをテーマにした『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、毎週木曜22:00~)をご紹介したいと思います!
■今週も安定して誰も救われなかった
現在第5話まで放送され、回が進むごとにセックスレスに不倫にとグッチャグチャなんだけど、一人一人の心情が丁寧に描かれているので誰の気持ちも分かってしまう(※陽一以外)という…しんどいけどめちゃくちゃ面白い『あなたがしてくれなくても』。
このドラマは、セックスレスで悩む「吉野みち・陽一」(奈緒・永山瑛太)と「新名誠・楓」(岩田剛典・田中みな実)の2組の夫婦のすれ違いや、心まで移ってしまった浮気、日の当たらない恋へ進む覚悟、夫婦間のパワーバランスが対比になって味わい深く描かれており、稲葉浩志さんが歌う井上陽水さんのカバー「ダンスはうまく踊れない」が挿入歌として流れるたびに、「あぁ! 今週も安定して誰も救われなかったかー!」と毎週木曜日が待ち遠しく、今一番楽しみにしている作品です。
■「人の気持ちが分からない」陽一がどう変わっていくのか
特に今回、私が語りたいのは、結婚2年目にしてセックスレス状態にいる吉野みちの夫・陽一。この男が、流されやすく何も考えていないナチュラルクズすぎるので、毎週見逃せないのです! 真剣に子どもを作ろうとセックスレスに向き合おうとしているみちに対し、子どもを作ることに合意し、約束したのにもかかわらず「(セックスって)約束してすることなのかな?」と言い出したり、仕舞いには「俺EDかも」「みち、性欲強くない?」と言い出す始末。
このシーンを見たとき、『最高の離婚』の神経質で屁理屈な夫・濱崎光生や、『リコカツ』の厳格すぎる家庭で育った生真面目すぎる男・緒原紘一など、一癖ある男を演じたら右に出る者がいない永山瑛太さんの演技が上手すぎて胸が締め付けられ…みちと同じくクッションを…いや、硬めの石を陽一にぶん投げてしまいそうでした。
しかも、みちには「俺EDかも」とか言いながら、自分が働く喫茶店のバイト・三島結衣花(さとうほなみ)と、あろうことか喫茶店の店内で交わってしまう堂々たるクズっぷり。そんな最低男ランキング1位の陽一を胴上げしたまま池に落としてやりたい気分なのですが、みちだけではなく三島に対しても無意識に優しくしたり傷つけてたりと、その場しのぎで何も考えずに発言・行動する陽一のだらしなさを、スマホ画面バキバキなのにそれを気にせず使い続けているという演出で伝えてくれたり、ナンバーを「401(陽一)」と自分の名前にしているバイクに妻ではない他の女を何も考えずに後ろに乗せて走るシーン(※案の定その後キス)も、「お! 絶対に浮気するダメな人じゃん!」と分からせてくれるのも最高。
こうして細部にわたり丁寧に描かれているところが面白く、今後「人の気持ちが分からない」陽一がどう変わっていくのか、楽しみで仕方ありません。