では医療費控除の手続きと控除される金額については、どのような仕組みになっているのでしょうか。詳しくみていきましょう。
医療費を集計する
確定申告にあたり、かかった医療費の明細書を作ります。私は下記のような表を作り、エクセルで管理しています。家族名・続柄・病院名などは最初に入力したものをコピーできるので簡単です。備考欄には交通費のためのルートを記入しています。交通費とルートも同じ病院であればコピー可能です。
加入している健康保険から「医療費のお知らせ」などの医療費通知が送られてくるケースがありますが、この通知も医療費の明細書として使えるようになりました。国税庁のホームページにも明細書の書式やマニュアルが掲載されていますので参考にしてください。国税庁の医療費集計フォームを利用すると、確定申告書等作成コーナーで、データを読み込めます。
これらの方法で作成した明細書を確定申告の書類に添付して提出します。念のため、明細書にも住所氏名も記入しておくと便利です。領収書の添付は不要ですが、領収書の保管は必須です。日付順に整理しておきましょう。
医療費控除の金額を計算する
医療費控除の金額は次の式で計算でき、上限額は200万円です。
医療費控除金額=実際に支払った医療費の合計額-A-Bの金額
■A: 保険金などで補填される金額(生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など)
■B: 10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額などの5%の金額)
通常の確定申告の書類に医療費明細書を添付して、所定の期日までに住まいの管轄税務署に提出します。
■ 筆者プロフィール: 佐藤章子
一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。