最後に出場した3チームに少し話を聞いてきました。これで2023年のSFLが終了する「魚群」と「SS熊本」にはSFLの振り返りを、グランドファイナルに挑む「DFM」には意気込みについてです。
【魚群】
――惜しくも敗退してしまいましたが、プレイオフはいかがでしたでしょうか。
マゴ選手:思った以上にブレたところがあって、チームの足を引っ張ってしまった実感があり、自分の責任が大きいと思います。チームとしても実力が足りていなかったのではないでしょうか。運が悪かったのではなく、単純にほかのチームが強かったんだと思います。
――『スト6』になって初のSFLでしたが、その点はどのように感じましたか?
もけ選手:今の時代のゲームの攻略の速さ、レベルの上がり方は、これまでにないほどで、1カ月単位、もしくは1週間単位ぐらいで強い人が移り変わるような感じでした。
水派選手:新しいゲームをプロとしてやり始めるのが初めてだったので、発売からずっと不安になり、ひたすらやり込んでいく日々でした。
まちゃぼー選手:新しいゲームに対応できる自信があったんですけど、もけが言う通り、攻略のレベルの上がり方はすさまじいものがありました。プロの競技シーンのシビアさ、これがSFLなんだと改めて感じました。
――今年はパブリックビューイングも行い、数少ない純正チームとして応援されていました。
マゴ選手:純正チームって、「魚群」と「忍」だけなのか。パブリックビューイングは「魚群」だけでなくいろんなチームが開催し、SFLや『スト6』を盛り上げていこうという気持ちがあって、ファンもそれに呼応してくれてうれしかったし、おもしろかったですね。満員御礼になるくらい集まって、オフラインの場に行く雰囲気が改めて醸成されていったのではないでしょうか。
SFL以外でも、ストリーマーさんやいろんな方が『スト6』を盛り上げようとしてくれたし、カプコンの方々もいろんなイベントを開催してくれました。この灯火を消さないように、プロのすごいところを見せられたら、おもしろいってことを伝えられたらと思います。
【SS熊本】
――今回の試合を振り返ってみて、感想をお願いします。
ネモ選手:全然良い動きができなくて後悔しかありません。相手のマリーザに負けてしまって、本当に最低の1日となりました。
Shuto選手:「あそこでああしていればもっと勝っていた」みたいな反省点がたくさんありました。
ひぐち選手:個人的にふ~どさんに勝てたのはうれしかったです。竹内ジョンさん戦など反省すべきところもありました。
かべ選手:気持ち的には余裕があったんですけど、選択肢が結構散らばってしまって、メンタルがショートしてしまいました。キャパシティがまだ足りないと思いました。
――「DFM」がかなりオーダーをイジってきた印象ですが、作戦面に関してはいかがでしょうか。
ネモ選手:こちらとしては「DFM」戦のキーマンはやはりShutoになると思っていたし、それだけ信頼もしていました。「DFM」側はそれをどうやって攻略していくか話し合ったのだと思います。全員がShutoに対して準備してきて、みんなで挑戦する印象を受けました。
――2023年のSFLはこれで終了しますが、リーグ全体の感想をお聞かせください。
ネモ選手:「SS熊本」はメンバーが若く、新しいゲームに切り替わる経験をした選手が少ないので、本当に発売1カ月で勝てるかどうか不安はありました。でも、ひぐち、Shuto、ササモはゲームがうまくてチームとしてすぐに波に乗ることができ、「1st STAGE」は1位通過となりました。「2nd STAGE」はShutoに引っ張ってもらって、プレイオフに進めた感じです。
後半になるにつれ、ひぐちやかべさんの動きが良くなっていきました。自分自身はちょっと奮わなかったのでプレイオフでは活躍できるようにと練習して、「魚群」戦ではそれを活かすことができたのですが、「DFM」戦はShutoに頼りっきりになってしまい、もっと「DFM」戦の準備をしておく必要があったと反省しています。ただ、一緒に戦って、みんなすごくがんばってくれて、いいチームだと思っています。
【DFM】
――グランドファイナル進出おめでとうございます。本日の感想をお聞かせください。
ふ~ど選手:2位のアドバンテージが活かせたと思います。Shutoに4人全員で対応したわけですが、総合力、チーム力で戦おえたのが勝因だったと思います。
板橋ザンギエフ選手(以下、板ザン選手):そうですね、今の話で言ったらShutoはマリーザ戦に関してそこまで準備できていないんだろうなと思っていました。自分がマリーザ戦を用意できたのは、2位でリソースを割けたから。3位4位だったら、そこまでの準備はできなかったと思います。
ナウマン選手:僕自身は今日勝つことができなかったんで、勝ちたい気持ちでいっぱいですね。せっかくチームメイトにグランドファイナルに連れて行ってもらえたので、グランドファイナルでは活躍したいと思っています。
竹内ジョン選手:僕はナウマンさんと違ってたくさん勝てたので気持ちいいです。
ナウマン選手:おいっ(笑)
竹内ジョン選手:今回は良い動きができたので、このままいければと。ただ、「FAV」はバチバチに対策してくると思うので、まだまだ強くならないといけないと思っています。
――その「FAV」戦ですが、どんな対策を考えていますでしょうか。
板ザン選手:ボンちゃんをどうするか。大将戦の20ポイントルールがあるので、ボンちゃんに勝てる人が誰もいなければ絶対に勝てません。なので、ボンちゃんを止めるのが大きなポイントですね。
――今回の3巡目はリーグ本戦でケンミラーに強かったナウマン選手をかべ選手に当てることが予想されたと思われますが、そこはどうでしたか。
板ザン選手:確かにそういう世界線もあったんですけど、ジョンのほうがかべ選手に強く当たれた状況だったので、いいほうを選びました。
ふ~ど選手:大将戦に負けたとしても、60-60になることを意識したオーダーでもありました。
ナウマン選手:ジョンがケン戦を任せられる状態でしたし、僕もマリーザ戦はすごくやっていたので、ふ~どさんが勝って、ジョンが勝って終わりというルートと僕が勝ってそれで終わりという2ルートをみていた感じですね。
――最終戦は、会議室が板橋ザンギエフ選手を激推しした話がありましたが、激推しの理由を聞かせてください。
会議室(立川選手):あと10ポイントで決まる状況のときは板ザンさんに出てほしいと以前から言っていました。あと、最後はShutoかひぐちが出てくると思っていたんですけど、Shutoはマリーザ戦をほとんどやっていませんでしたし、こちらは準備をしていたので。
板ザン選手:自分の意見をちゃんと言えるのが立川のいいところなんですよね。強く推してくれたので、それを信用しました。
――ありがとうございました。
「DFM」は、「1st STAGE」で2試合連続0ポイント、3試合目にしてようやく10ポイント獲得できたほど、低調なスタートでした。そのスロースタートが原因で「1st STAGE」突破が難しいとみられていましたが、第11節、第12節の2節で脅威の追い上げ、70ポイントの荒稼ぎ、ライバルチームの「広島 TEAM iXA(iXA)」「Good 8 Squad(G8S)」の失速で、「名古屋OJA BODY STAR(名古屋OJA)」の追い上げを振り切り、ギリギリで通過できました。そして「2nd STAGE」も苦しい戦いが強いられると思いきや2位通過と大きく躍進しました。
おそらく、「1st STAGE」で敗退した「iXA」「G8S」「名古屋OJA」もタイミングとちょっとしたきっかけで「DFM」と同様の活躍ができていたのではないでしょうか。
それだけ実力が拮抗したハイレベルな戦いを見せていたと言えます。そういう意味では1位抜けした「FAV」が必ずしも優位と言えないかもしれません。ともかく、2024年の1月13日のグランドファイナルもアツい戦いを見せてくれることでしょう。