それでは非課税品目と軽減税率を加味しながら、年収別にどれぐらい負担が増えるのかをみていきましょう。

  • 注:総務省「家計調査2017年(第2-6表 年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出)」を元に筆者が作成

    注:総務省「家計調査2017年(第2-6表 年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出)」を元に筆者が作成

軽減税率の効果もあって、消費税が10%になるからといって、現在の消費支出に対して2%負担が増えるわけではないことがおわかりいただけたでしょうか。

一方で、年収が低い世帯は収入の大部分が消費支出に回っていてるのがわかります。貯蓄に回す余裕が少ないとも考えられ、年収が低い世帯ほど増税の負担感を強く感じるようになるかもしれません。

消費税アップへの対策は?

増税に負けない家計にするためには、まずは支出を見直すことから始めましょう。これまで外食を頻繁にしていた人は、回数を減らすことも効果があります。軽減税率では、外食は10%ですが、テイクアウトや宅配は8%のままです。できれば自炊をするのが一番の節約になりますが、仕事で疲れて料理をしたくないときなどは、外食ではなくテイクアウトにする工夫もできるでしょう。

そもそも、家計の支出額を減らせれば、増税分を打ち消すことも可能です。効率的に支出を減らすためには、家計の固定費を減らすのが有効です。住居費や携帯電話代、保険料など、この機会に見直しをして家計のムダを省くようにしてはいかがでしょうか。

※参照: 総務庁「家計調査2017年(年間収入階級別(全国・都市階級)・二人以上の世帯)」

■ 筆者プロフィール: 續恵美子

女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター。ファイナンシャルプランナー(CFP)
生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。