メンバーはどのように対応するか
メンバーにも、リモートワークとうまく付き合っていくためにできることがあります。リモートワークは活用できれば、自律的に仕事ができるようになる、生活を大事にできる、といった自由を享受できることにつながります。しかし同時に、陥りがちなこともあります。
ソロワーク化にならないようにする
陥りがちなことの1つは、「ソロワーク化で小さくまとまること」です。リモートワークでは、物理的にマネジャーや同僚と物理的に離れているので、ともすると自分の現在の仕事を進めるのに必要な人とだけやりとりしていれば業務が回ります。
この状態が続くと、「最近、仕事で直接関係のある人としか話していない」、「最近、新しい刺激がなくなった」、「成長が鈍化してきたと感じる」といった事態に陥ります。こうなると、リモートワークのデメリットが目立ってきます。
また、「ソロワーク化」は、会社やマネジャーが思う「仕事ができている」「仕事はうまく進んでいる」ということと、メンバーの思うそれの乖離を生む場合があります。マネジャーから、「マネジャーの私から見て明らかに停滞しているメンバーであっても、最近の仕事の様子を尋ねると、『問題ないです』『順調です』と言うだけで困る。リモートでもしっかり仕事をしているメンバーには申し訳ないが、こんなことになるなら全員出社に戻した方がいいのではないか」という声を聞くことがあります。
こうした乖離を減らすには、メンバーは、普段やりとりしていない人と話し、新たな知識や情報を習得するなど、一歩踏み出す動きや自分の枠を広げる動きを行うことが重要です。幸い、オンライン環境が整ってきた昨今、物理的距離が離れていてもさまざまな人や情報とつながりやすくなりました。その利点もつかって、リモートワーク環境を活用し、活躍していただけたらと思います。
最終回となる次回は、リモートワークとのより良い付き合い方を見出すために企業ができることについてご紹介します。