今回は、小堀にお金を貸してくれる一番弟子の芸人・魔法使い太郎ちゃんや、ガッポリ建設の相方・室田稔さん、さらには小堀の婚活に本気でダメ出しする結婚相談所主宰の山本さん、アルバイトを受け入れてくれる店主など、“クズ芸人”を見捨てず、親身になってくれる人々が登場。吉岡は「皆さんへの好感が高まりました」と印象を語る。
「突然、人に“お金貸してほしい”と言われたら普通は怖いし、あんまり関わりたくないと思ってしまいそうですが…」と想像するが、それでも皆が手を差し伸べるのは、小堀に他人を引き寄せる魅力があるからなのだろうか。
「そこはまだ謎のままなんですけど、人間味があふれていて圧倒されちゃうんです。みんな自分のダメなところは極力出したくないし、恥ずかしいと感じると思うのですが、小堀さんはいつも軽いウソをつきながらも、本当に“むき出し”なんですよね。だから、傍から見て“おかしいよ”と思うことがどうしても生じちゃう。そこが、芸人さんたる所以なんだなと思いました。相方の室田さんが、小堀さんが“芸人を辞めない”と言った時にすごくうれしそうな顔をしていたのが印象的で、“芸人・小堀敏夫”に惚れているんだなと感じました」
そんな小堀と室田さんのやり取りで、吉岡が思わず収録中に吹き出してしまう爆笑シーンが訪れた。
「もう面白すぎて、ナレーションの時にあんなに笑ったのは初めてです(笑)。室田さんが本気で怒って、それを受ける小堀さんの鬼気迫る表情…。あまりにも自分の道を行き過ぎる小堀さんと、正しいことを言ってる室田さんが、どう見てもボケとツッコミで、その緩急がさすがコンビだなと感じた瞬間でした。これは良質なコントになりそうだと思ったので、絶対にお客さんに見せるべきだと思います。本気で『キングオブコント』にチャレンジしてほしいです」
実はすごく大切なことを言っているのかもしれない
芸人でありながらネタを作らず、婚活も本気なのかどうか…。何をやってもうまくいかない小堀だが、借金をするにあたって誠意を見せるために魔法使い太郎ちゃんが店長を務める焼肉店でアルバイトをする姿に、吉岡は適性を感じた様子。
「焼肉を食べに来ている人のテンションにフィット感があって、接客がとても上手だったんです。太郎ちゃんも“助かりました”と言ってましたし、ここでずっとアルバイトをしたらいいのではないかと思いました」と望んだが、即座に「でもまたサボっちゃうのかな(笑)」と、一筋縄ではいかない人物であることを思い出していた。
今回の放送は、多くの人が仕事始めの前日にあたる。それだけに、「ちょっと気持ちが沈んでしまう人がいたら、小堀さんの姿を見ていただいて、“自分は頑張りすぎてるんだな”と気づいてほしいです。小堀さんが“ネタを頑張って作って体調崩すくらいなら、寝たほうがいいでしょ”ってよく言ってるんですけど、実はすごく大切なことなのかもしれない」と考察する吉岡。
「私自身、年末は仕事が忙しくて体もくたびれていたのですが、気づいたら“よし、私も頑張ろう”ってちょっと元気をもらっていました」と、身を持ってその効果を実感したようだ。
●吉岡里帆
1993年生まれ、京都府出身。連続テレビ小説『あさが来た』、ドラマ『カルテット』などに出演し、注目を集める。主な近作にドラマ『しずかちゃんとパパ』『ガンニバル』『時をかけるな、恋人たち』『忍びの家 House of Ninjas』、映画『パラレルワールド・ラブストーリー』『見えない目撃者』『ハケンアニメ!』など。現在公開中の映画『正体』で第45回報知映画賞女優助演賞を受賞した。25年は映画『ファーストキス 1ST KISS』『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』『九龍ジェネリックロマンス』、舞台『令和6年能登半島地震復興祈念公演「まつとおね」』が控えており、26年には大河ドラマ『豊臣兄弟!』に出演する。