「NARIKIRIクリスマスツリー」の先に広がるのは、仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマン、プリキュアのなりきり玩具が一堂に会する「HENSHINエリア」。
仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマン、プリキュアのなりきり玩具が一堂に会する「HENSHINエリア」。『仮面ライダーガヴ』のコーナーは、ガヴの強化形態「ケーキングフォーム」をモチーフにして、変身ベルトガヴやゴチゾウたちが飾られた豪華なデコレーションケーキのようなディスプレイとなった。
平成ライダー第1作『仮面ライダークウガ』(2000年)から、シリーズ最新作『仮面ライダーガヴ』(2024年)まで、歴代仮面ライダーの「変身ベルト」が集められたブース。1971年放送の第1作『仮面ライダー』で空前の大ヒットを飛ばした「光る!回る!仮面ライダー変身ベルト」を原点とする「ベルト玩具」は、今や仮面ライダーシリーズの定番商品としてなくてはならない存在。創意工夫に満ちたベルト本体ギミックに加え、カードやメダルといったコレクション性の高いアイテムとの連動によって幅広いプレイバリューを生み、多くの子どもたちを楽しませてきた。基本形のベルト玩具に新しいパーツを組み合わせる「ベルト合体」という秀逸なアイデアが生まれるなど、変身ベルトは未来に向かってさらなる進化を遂げていく。
2025年1月25日から放送スタートする『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』のブースでは、ウルトラマンゼロ(左)とその弟子・ウルトラマンゼット(右)の立像と共に、歴代ウルトラヒーローの変身アイテムがズラリと展示されている。『ウルトラマンZ』(2020年)から5年、今回のシリーズでゼットは「ニュージェネレーションウルトラマンケープ」をまとった新たなる姿となって活躍するという。
『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)を第1作とする「スーパー戦隊シリーズ」は、2025年に「50周年」を迎えることとなった。スーパー戦隊のブースでは、平成第1弾戦隊の『高速戦隊ターボレンジャー』(1989年)の「ターボブレス」から、最新作『爆上戦隊ブンブンジャー』(2024年)の「ブンブンチェンジャー」まで、歴代シリーズの変身アイテムが並べられた。さすがは長い歴史を誇るスーパー戦隊シリーズだけあって、ブレスレット型や携帯電話型、そして剣や銃などの武器が変身アイテムの役割を果たしているものなど、作品ごとにさまざまなバリエーションを持たせているのは見事というしかない。スーパー戦隊の歴史は、「なりきりアイテム」進歩・発展の歴史でもあったのだ。
『ゴレンジャー』には変身アイテムが存在せず、『ジャッカー電撃隊』(1977年)では変身するため巨大なコンテナに格納されている「強化カプセル」に入る必要があった。『バトルフィーバーJ』(1979年)では通信機「バトルシーバー」の中に強化服バトルスーツが収納されている設定があるものの、ほとんどの回で隊員たちはアイテムを用いることなく、素早く強化服を装着していた。『電子戦隊デンジマン』(1980年)では指輪型アイテム「デンジリング」をはめたデンジマンたちが「デンジスパーク」のかけ声でリングを構えると、強化服が飛び出て装着を完了する。このデンジリングこそ、後のスーパー戦隊で定番化する「変身アイテム」の元祖といえるだろう。
続く『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)では「強化服を収納したブレスレット」という設定が生まれ、『大戦隊ゴーグルファイブ』(1982年)、『科学戦隊ダイナマン』(1983年)……と、後続のスーパー戦隊へと受け継がれていく。『サンバルカン』のブレスレットが商品化されることはなかったが、『ゴーグルファイブ』のブレスレットはポピー(現バンダイ)の子ども向けキャラクター腕時計「デチョンパ」シリーズのひとつとして発売された。劇中の変身アイテムとほぼ同じ形状をしていて、子どもたちが腕に装着して変身ごっこのできる「デチョンパ・ゴーグルファイブ」は、スーパー戦隊における「なりきり玩具」の新たなる出発点だと位置付けておきたい。
「時計機能のついた変身ブレスレット」という「デチョンパ・ゴーグルファイブ」の特性は、続く『科学戦隊ダイナマン』(1983年)にほぼそのまま受け継がれた。そして『超電子バイオマン』(1983年)の「テクノブレス」では、ボタン操作で表示部分が起き上がるポップアップ機能が付き、『電撃戦隊チェンジマン』(1985年)の「チェンジブレス」ではミサイル発射ギミック、『超新星フラッシュマン』(1986年)の「プリズムフラッシュ」そして『光戦隊マスクマン』(1987年)の「マスキングブレス」ではフラッシュ発光機能などが加えられ、玩具としての楽しさ、面白さを強化していった。
『超獣戦隊ライブマン』(1988年)の「ツインブレス」では、両手に装着した2つのブレスを組み合わせて音と光を発生させる、凝ったギミックを採用。子ども用腕時計から本格的な「なりきり玩具」へと飛躍させた商品となっている。この「2つのブレスを組み合わせる」というコンセプトが、続く『高速戦隊ターボレンジャー』のターボブレスへと受け継がれた。
スーパー戦隊のブースには、このような映像フォトスポットがある。カウントダウンの後、背景の岩場が大爆発! 最高の写真をゲットしてもらいたい。
奥へ入ると、暗く落ち着いた雰囲気の「PREMIUMエリア」となる。ここは大人のための変身ベルト「CSM=COMPLETE SELECTION MODIFICATION」シリーズ最新作が展示されている。
「CSMデンオウベルト&ケータロスver.2」は、2017年に発売された「ver.1」のリメイク商品。変身音声の追加や、今後発売予定の「CSMデンガッシャー」との連動が可能となる通信機能を搭載しているという。
『仮面ライダーアウトサイダーズep.7 アウトサイダーズと最期の戦い(デザイアロワイアル)』でジーンが仮面ライダージーンゲイザーへ変身する際に使用する「変身ベルト」=DXレーザーレイズドライバーの展示。
歴代特撮ヒーロー作品への強い愛情とリスペクトが込められ、魅力的なキャラクターたちが活き活きと描かれて人気を集めたファンタジックなヒーロードラマ『ウイングマン』からは、「S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウイングマン」と「ドリムノート&ドリムペン」を展示。スーツアクター橋渡竜馬のボディスキャンデータをもとに、超絶的にリアルなプロポーションを手に入れた真骨彫ウイングマンの美しさは絶品というしかない。
“萬画家”石ノ森章太郎先生の代表作『サイボーグ009』の60周年を記念し、同じく石ノ森先生が原作を手がけた『仮面ライダー』との夢のコラボが実現した。
「サイボーグ009×仮面ライダー」とは、ゼロゼロナンバーサイボーグを生み出したギルモア博士と、仮面ライダー/本郷猛の改造手術を行った緑川博士が“もしも”出会っていたら? といった発想をベースに企画されたプロジェクト。ブースの中央には、009をはじめとするサイボーグたちが装着する「変身ベルト」が置かれ、強烈な存在感をふりまいていた。
さらに、サイボーグ001から009、それにギルモア博士を加えた10人が、仮面ライダー1号、2号、V3、ライダーマン、X、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、スーパー1、ZXの「10人ライダー」と融合しているといった、ユニークで大胆なビジュアルが「キャラクター設定」として発表された。『009』キャラクターがそれぞれ、どの仮面ライダーと組み合わさっているのか、じっくり観て確認してほしい。
「NARIKIRIラボラトリー」とは、なりきり玩具の可能性を追求するスタッフ諸氏の、貴重な研究成果の発表の場である。今回は、3つの意欲的ななりきり玩具のデモンストレーションが行われていた。
ひとつ目は「浮遊液晶変身ガントレット」。ガントレットの中央に「FLAME(炎)」「WATER(水)」と2つのボタンが描かれたパネルが起き上がっているが、これこそ従来のホログラムなどとは異なる空中結像技術を搭載した「浮遊映像」で表現された部分である。静止画では少しわかりづらいかもしれないので、ぜひ実物を間近でじっくり観ていただきたい。浮遊液晶にタッチすると、「FLAME」か「WATER」どちらかのヒーローの変身映像が前方モニターに映し出される仕組み。この技術が進化していくと、何もない空間にPCのタッチパネルやキーボードが現れるなど、SF映画でよく見られるような出来事が現実のものとなるかもしれない。
二番目は「光る変身ドレス」。ヒロインが変身する際に服が光る演出を、約3万個のLEDを用いて再現している。真っ白なドレスが暗闇の中で、ピカピカと光ながら模様を変えていく様子は実にファンタジック。ドレスの下に、LED搭載の生地がはさみこまれていることがうかがえる。
三番目は「液体沸騰変身ベルト」。ポンプギミックにより、ベルトの中央に「液体」が流れ込み、さらに空気を下から送り込んで、まるで液体が沸騰をはじめたような表現を可能にしている。かつて『仮面ライダー鎧武』(2013年)では、ベルト中央で「搾り取られた果汁が底へと溜まっていく」様子をLEDの動きで表現した商品(CSMゲネシスドライバー)が存在したが、今回の研究はそれをもう一歩進め、実際の液体を組み込んで、本当に沸騰しているように見せる工夫がなされた。向かって左、バルブを回すギミックも秀逸である。
「NARIKIRI WORLD 2024」は東京ドームシティGallery AaMoにて、2024年12月20日から22日まで開催。入場無料。時間は20、21日が10:00~20:00(最終入場19:30)、22日のみ10:00~18:00(最終入場17:30)