サブタイトルにもある通り、今回の物語の中でキーアイテムとして登場するのが、佳秀さんの愛用していたギター。大介さんはそれで、佳秀さんの大好きだった吉田拓郎の曲を練習し、何度も歌声を披露してくれている。
「父ちゃんが弾いている姿を小さい頃に見ていて、自然と記憶の中に深く刻まれているんだろうなと思いました。ギターとともに家族思いの感性も父ちゃんから譲り受けたものなんだろうなと思うと、そのつながりがギターと大介さんという形で見えてきて、すごく印象に残っています」
その歌声についても、魅力を感じたのだそう。
「上手いとか下手とかそういうことじゃなくて、大介さんの歌がいいんですよ!(笑) こぶしを効かせる感じもあるんですけど、効かせようと思ってやってるわけじゃなくて、思いがこもった末にそういう表現になっているのが、すごくグッときました。私も吉田拓郎さんや1970年代のフォークソングが大好きで、アナログ盤のレコードを買って家でよく聴いているので、あの曲が刺さるんですよね。富士山が見えるあの場所で、ぜひ大介さんの歌を聴いてみたいです! デジタルデトックスできるし、人の温かさも曲の力強さも感じられると思うので、すごくいいなと思います」
東京を離れて実感した林家の暮らし方
『ザ・ノンフィクション』は、これが年内最後の放送。2024年を振り返り、「自分が今後大切にしていきたい指針になるような作品に出会えた年でした。地方ロケで東京を離れて暮らしながら撮影するという経験があったので、その土地で感じる空気や、地元の方々との出会いがこうやって撮影に影響してくるんだなとすごく感じることができて、改めて東京という街を考えるきっかけにもなったと思います」と語る。
この経験によって、「林家の皆さんもその土地の良さに惹かれて千葉に移住して、穏やかに心豊かになる瞬間があるんだろうな」と想像できたそうで、「今回はある種、私自身がフラットになった状態で、林家の皆さんに再会した感覚があります」と、収録に臨んだ心境を明かした。
父ちゃんと暮らす介護施設を作るために購入した裏山付きの一戸建てが、夢に向けて一歩ずつ進んでいる様子も見られた今回。「それが大介さんの行動力と成長で感じることができたので、これから理想の施設にどう近づいていくのか楽しみです。まだまだ見守っていきたいですね」と意欲を示した。
●富田望生
2000年生まれ、福島県出身。15年、映画『ソロモンの偽証』のメインキャストをオーディションで射止めて女優デビュー。その後、『モヒカン故郷に帰る』『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』 『SUNNY 強い気持ち・強い愛』などの映画、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』『なつぞら』『教場』『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』『だが、情熱はある』『ブギウギ』などのドラマに出演。今後、映画『港に灯がともる』が1月17日に公開予定。