「僕は神です」と6話で自ら告白した興玉。そのセリフは全く嘘臭く感じず、説得力があった。そして今回「僕は神だからです」というセリフが登場。このシーンは信念を揺るがすことなく、自身の責任を全うしようという気持ちがひしひしと伝わり、その姿は本当に見ていて神々しい。常に「人間を信じていない」と言い、よく小夢とも衝突したが、回を追うごとに、興玉と人間の距離がほんの少しだが縮まってきたように感じる。
さらに、ずっと対立してきた荒波にも前回「私は人間を一切信用していません。ですが、荒波警部補には一目置いています」とまで言うように。一方の荒波は、神の存在を信じることなくここまできた。終始対立してきた興玉と荒波。この関係性にも注目してほしい。
「もしもの時はあんたをヒルコから守るから」の本当の意味とは
まだ天宇受売命だった頃、「もしもの時はあんたをヒルコから守るから」と興玉に誓っていた小夢。最終回でその言葉の“本当の意味”が明らかになる。そこに込められた思いと行動には心を打たれるだろう。
これまでマシンガントークでクールに語り、切れのいいアクションシーンが目立っていた興玉だが、予告映像では涙も。今までそういった感情を見せることのなかった興玉だが、そのシーンはごく自然で、このバランスの巧みさは、さすが藤原竜也だと感じ入る。
一方、小夢が「神」だった時代と今の「人間」として興玉に接するシーンでの広瀬の“表情の使い分け”は実に見事で、切ない気持ちが込み上げる。
その小夢を再び神に戻そうと奔走する興玉だが…。「ヒルコを捕らえる」という使命を果たそうとする2人の強い意志と、お互いを思いやる気持ちを感じると涙なくして見ることはできない。
一見ミステリー作品だが、奥には日本神話が潜んでいて、多くの神々が登場してきた今作。非現実的な話にもかかわらず、違和感を覚えることがなかった。それは、個々の神の潜在能力と役のキャラクター設定における人間味の調和が実によく取れていたからなのだと改めて感服させられる。
そしてついに最後の戦いへ。今回も新たな神が現れ、「全決」が総力を結集する。その結束力は見ていて気持ちがよく、本当に全員が「神」に見えてくるだろう。全力で挑むヒルコとの最終決戦。その結末とは。