――ゆりやんさん演じるダンプさんとの激しい戦いも描かれていました。

血まみれの肉弾戦。グロいですよね(笑)

――かなり衝撃的なシーンですよね。撮影はいかがでしたか?

一番楽しい撮影シーンでした。ゆりやんさんとだからお互い遠慮なく叩けるし、ゆりやんさんも遠慮なく来てくれるので反応もしやすいし。あんなに血まみれになっても、カットかかった瞬間に「イエ~イ!」って終わるので、監督たちもあまり心配せず、「好きにやっていいよ」みたいな感じでした。

――本気で殴り合っているわけですよね?

そうです。不思議なもので、あの時はアドレナリン出まくっていて、痛いよりも「決まった! 気持ちいい!」みたいな感じで。とにかくあのシーンがダイナミックになるように、ゆりやんさんと「これやってみます!?」「マジで頭を噛んでください」とかいろいろ話しました。私が引退するきっかけの試合なので、とにかく悲惨に見えるように意識しました。

――ゆりやんさんとしっかりコミュニケーションを取って全力でぶつかり合ったからこそ、素晴らしいシーンが生まれたわけですね。

そうだと思います。ほかの人よりもゆりやんさんは預けることができて、ゆりやんさんも預けてくれたと思うので、だからこそよりリアルなシーンになったのかなと。本気でぶつかっていたので、負けて大森ゆかりさん役の隅田杏花が入ってきた時は、本当に涙が出てきました。

――ゆりやんさんとは『極悪女王』で共演する前から知り合いだったのでしょうか。

1回だけ本社で見かけて挨拶したことがありますが、それだけでした。なので、初めましての時、めっちゃドキドキしました。プロレス練習で初めましてだったんですけど、その日にゆりやんさんが「一緒にご飯食べよう」と言ってくれて、初めて会った日に2人でお弁当を食べたのをめっちゃ覚えています。

――そこから一気に親しい関係に?

今ではすごい電話もします。海外に行ってしまうので、その前にいっぱい遊んでおこうと思って。この前、私の誕生日にお揃いのサングラスとお揃いのミッキーのバッグをくださって、「これでディズニー行こう!」って。なんて優しい方なんだと思いました。

――ゆりやんさんはご自身にとってどんな存在ですか?

こんなに出会えてよかったと思う先輩はいないかもしれません。ゆりやんさんの近くにいると、芸人としていい意味で焦るし、めっちゃ勉強になります。本当に楽しそうにネタやお笑いをやられていて。単独ライブも何回も見に行かせてもらったんですけど、こんなに自由にできたら楽しいだろうなと思うので、自分も気張りすぎず、ゆりやんさんみたいに楽しんでやりたいなと。芸も唯一無二ですごいなとリスペクトしていて、マジで出会えたよかったです。

■えびちゃん
1995年9月30日生まれ、茨城県出身。NSC東京校22期。2019年7月1日にタコスとお笑いコンビ・マリーマリーを結成。神保町よしもと漫才劇場を中心に活動。女優としてはテレビ朝日系ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』(2023)、Netflix『極悪女王』に出演。