舞台を中心に女優業に情熱を燃やしている小川菜摘。61歳の今も「新人女優の気持ち」で一つ一つの作品に全身全霊で取り組んでいるという。このたびアサヌマ理紗らと演劇集団・熟年団を立ち上げ、12月4日~8日に東京の恵比寿・エコー劇場で舞台『チェリー・ホープを知ってるかい。』を上演している。小川にインタビューし、今の仕事に対する思いや同舞台への意気込み、今後の抱負など話を聞いた。

  • 小川菜摘

    小川菜摘 撮影:蔦野裕

小川は結婚を機に舞台活動を休止し、50歳を迎える2012年に再開。子育てがひと段落したことで復帰した。

「もともと役者をやりたくて、特に舞台をやりたかったんです。でも結婚して、子供も生まれて、舞台はすごくスケジュールを取られますし、地方公演もあったりして、舞台のお仕事をやっていたら家庭が回らないと思ったので、舞台はお休みすることにしました。映像の仕事やバラエティは続けていましたが、現在舞台復帰して一番やりたかった仕事ができて、第二の人生のようで、今とても楽しいです」

映像作品にもやりがいを感じつつ、観客の反応を直接感じることができるのは舞台ならではの喜びだという。

「映像のお仕事は、台本を読み込んで現場に行っても、監督の思いや意向があるので、瞬発力でそこに合わせていく難しさや楽しさがありますが、舞台はまっさらな状態でみんなで1から積み上げていき初日に挑むという、映像とは違う楽しさがあるんです。映像ももちろんセリフを覚えないといけないですが、舞台は物語が始まったら終わるまで本当に集中して、みんなでバトンを渡していく楽しさだったり、難しさだったりがあります。カーテンコールでお客様が拍手してくれたり、感動して泣いてくださる姿を見て、苦しんだり悩んだりした事が、報われたなと。そのために頑張っている気がします」

SNSで寄せられる声も原動力になっているという。

「舞台を見に来てくださった方が、『小川さんを観てファンになりました』と何人もの方が次の舞台を観に来てくださるんです。それがとても自分の糧になって、もっと応援して下さる方が増えていくように頑張らなきゃなと。今はそういった意見をダイレクトにいただけるのでうれしいですし、励みになります」

家族や友人が観に来てくれることも励みになっているそうで、「家族が『面白かったよ』と色々な感想を言ってくれるのも、ありがたいし、うれしいです。家族だけでなく、友達や知り合い、役者仲間など、いろんな方も観に来てくださるので、すごく励みになります」とうれしそうに語った。

今回の『チェリー・ホープを知ってるかい。』に関しても、家族の観劇について「公演数が短いのですが、スケジュールが合えば来てくれるんじゃないですかね」と話していた。