フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)で11月17日・24日・12月1日の3週にわたり放送される『炎の中で死んだ父を僕は知らない』。自分の人生を翻ろうし続けた父の足跡をたどるテレビディレクターを追ったこの作品でナレーションを担当したのは、宮崎あおいだ。
これまでの第1話と第2話を見て、「(登場人物たちの)気持ちを理解することが難しい部分が多かったです」と吐露していた宮崎だが、12月1日放送の第3話を見て、「感情の流れがすごく見えました」と受け止め方に変化があったという――。
(注)…宮崎の「崎」は正しくは「立つ崎」
なぜ父は家族をバラバラにしてしまったのか…答えを探す旅に
今年4月、画家・落合皎児(こうじ)さんが火事で突然、この世を去った。長野の実家に駆けつけた息子の落合陽介ギフレさん(44)に遺されたのは、父が描いた1,000点もの絵と約1,500万円の借金。その絵を守る方法を探して、生前の父を知る人々を訪ね回る旅に出た。心を病んで孤独死した母と、20歳で命を絶った弟…なぜ父は家族をバラバラにしてしまったのか。いつしか旅は、その答えを探すものへと変わっていった。
陽介ギフレさんは、父が画家としての原点を育んだスペインを訪れる。半世紀前、父がスケッチした風景や自らの生家を訪れ、家族の幸せだった時間を思い出す。父が在籍していたバルセロナのアトリエでは、ピカソやミロといった巨匠たちと共に掲げられた父の名前があった。
スイスでは、父の才能を誰よりも愛した画廊のオーナーが大切に保管している作品を目にする。そこには自分が知らなかった「画家・落合皎児の世界」があった。そして、父が日本に帰国した本当の理由を初めて聞かされる…。
誰かを恨みながらずっと生きていくのは、とてもつらいこと
これまでの放送では、陽介ギフレさんや皎児さんを「客観的に見ていた」という宮崎。それが、「今回、ギフレさんがスペインに行き、落合皎児さんという人がどれだけリスペクトされていたのかを目にしたり耳にしたことで、皎児さんのことを少し知ることができたような気持ちになりましたし、それによって心が動いていくギフレさんのことも知れたような気持ちになりました」と、より人間性が見えるようになったことで、物語の受け止め方に変化が生まれた。
父親に対して複雑な感情を抱いていた陽介ギフレさんは、今回の旅を通して「好き」という気持ちが残ったと打ち明けている。その姿に、宮崎は「誰かを恨みながらずっと生きていくのは、とてもつらいことだと思うので、良かったと思いました。これで、ギフレさんの新しい人生が始まるのかなと思うと、他人ながらうれしいです」と喜び、「ギフレさんがこれからどうしていくのか、さらに先のお話が気になります」と続編への期待も示した。