配信作品も増え、より多くの人に作品を見てもらえるチャンスが増えたことに関しては、とてもやりがいを感じているそうで、「垣根が低くなったからこそ、海外の方が『(作品を)見たよ』と言ってくれたり、海外の作品に呼んでもらえたりする機会は増えています」と反響を実感。
そして、「僕がやることは、作品に出ていろんな人に知ってもらって価値を上げることだなと思っている気がします」と述べ、「例えば、今回の作品をいろんな国で見てもらって、坂口健太郎という俳優自体の認知度が上がることは、価値につながると思うんです。そして、坂口健太郎が出ているから見ようという人が増えたら、それは価値が上がったことになるだろうし、そういう風に自分の価値を高めていく作業をしないといけないという思いがあります」と述べる。
続けて、「僕の価値が上がれば、日本の映画やドラマ、配信の価値も上がる」と言い、「例えば、ブラッド・ピットが出ているとなると、ブラピが出ているから見ようとなり、必然的にその作品の視聴者数が増える。どんなにいい作品を作っても、見てもらって初めて、作品の評価・価値が生まれると僕は思っていて、見てもらうことと名前を知ってもらうことは比例すると思うので、今はそれを高める作業をしています」と説明した。
日本の作品のクオリティをさらに上げていきたいという熱い思いも抱いている。
「韓国ドラマやハリウッドの作品は、もちろんクオリティも素晴らしいと思いますが、有名な俳優が出ていると見る人も増えるということで、彼らの価値によって予算が増えるというのもあると思います。クオリティを高めるためには予算は絶対に必要で、新しいことができる可能性が広がると思うので、その底上げにつながるといいなという思いもあります」
さまざまな役で多くの視聴者の心をつかんでいる坂口だが、共演者やスタッフ、取材した報道陣からも“いい人”だと、人柄を称賛する声もよく聞こえてくる。
坂口は「そう言っていただくのは本当にうれしいですが、僕は当たり前のことをやっているだけです。俳優さんやスタッフさんもピリついている時があるだろうし、プライベートでうまくいかなくて現場に持ってきちゃう時もあると思うんです。そんなの当たり前だよなという精神でいるからだと思います」と自己分析する。
また、「僕はたぶん、人に対して頼り方を知っているのだと思います」と言い、「現場で僕が『しんどいな』と思った時って、みんなしんどいだろうなと思うんです。今年の7~8月ぐらいに映画を撮っていたんですけど、めちゃくちゃ暑くて、そういう時に、しんどいから頑張るのではなく、しんどいって僕が言うことが意外と大事だなと。我慢してきついけど頑張るというのが美徳になっているところがありますが、『しんどいから1回休憩しましょう!』って誰かが言ってくれるのを待っているところもあって、そういう風に頼る、甘えるところもあっていいのかなと思います」と現場で大事にしていることを説明。
「自分1人で頑張るのももちろん大事だけど、自分を囲んでいるスタッフさんや共演者を頼りにする、必要にするというのがすごく大事で、それは彼らにリスペクトをするというのと同義語だと思うし、現場のクオリティを上げることになると思います」と続け、「もともと僕はそういう人間だと思いますが、いろいろ現場を経験してきたからこそ、よりそうなったのかもしれないです」と話していた。
1991年7月11日生まれ、東京都出身。2014年に映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』で俳優デビュー。映画『64-ロクヨン』(16)で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。『シグナル長期未解決事件捜査班」(18)で連ドラ初主演を果たす。近年の主な出演作は、ドラマ『鎌倉殿の13人』『競争の番人』(22)、『Dr.チョコレート』『CODE-願いの代償-』(23)、映画『余命10年』『ヘルドッグス』(22)、『サイド バイ サイド 隣にいる人』(23)、Netflix『パレード』(24)、Coupang Play『愛のあとにくるもの』(24)など。
スタイリスト:壽村 太一(COZEN inc) ヘアメイク:廣瀬瑠美