iPadでイラストやマンガを描いたら、やっぱり冊子に印刷してみたいですよね。同人誌印刷の現場でも、スマートフォン/タブレットからの利用が大きく増えているのだそうです。今回は同人誌・グッズ印刷サービス「おたクラブ」を運営する大阪印刷株式会社にご協力いただき、スマートフォン/タブレットからの冊子印刷について、制作・入稿時の注意点などをうかがいました。
お話をうかがったのは、同社で冊子商品のデータ処理およびお問合せ対応を担当するDTP課の今村さんです。
半分近くがスマートフォン/タブレットを使用
——今村さん、よろしくお願いします。今村さんはDTPご担当として日々お客様からの入稿データに触れていらっしゃるわけですが、近年何か目立った変化や傾向はありますか?
大阪印刷 今村 雛(以下、今村) よろしくお願いします。以前はPCで制作されたデータが大半でしたが、最近はやはりスマートフォンやタブレットからの入稿が増えていますね。また、当社はこれまで売上の多くが冊子印刷でしたが、この数年でグッズの売り上げが大きく伸びて、現在は半々くらいになっています。
——やはり、スマートフォン・タブレットで制作する方が増えているのですね。今回はこの取材のために、御社のXアカウントでアンケートを取ってくださったそうですね。
今村 当社でもスマートフォン/タブレット(以下、スマートデバイス)からのご注文が増えていることはわかっていましたが、お客様の制作環境までは詳しく確認したことがなかったので、この機会に質問してみることにしました。
——ご回答くださったみなさま、ありがとうございました。ではさっそく回答を確認してみましょう。まず制作環境についての質問です。
冊子印刷、どのデバイスで制作していますか?
——最多は「PCのみ」となりましたが、スマートデバイスのみをお使いの方もそれに迫る勢いです。
今村 そうですね、予想していた以上に多かった印象です。今回は冊子印刷についてお聞きしましたが、グッズ印刷でもスマートデバイスから入稿される方が多くいらっしゃいます。
——次に、使用アプリケーションについての質問です。
フルデジタル(作業はPCのみ)とお答えいただいた方、どのようなアプリケーションをご利用でしょうか?
フルデジタル(タブレットまたはスマホのみ)とお答えいただいた方、どのようなアプリケーションをご利用でしょうか?
——アプリケーションついては、デバイスを問わず圧倒的にクリスタが強いですね。
今村 入稿の時点ではPNG/PSD形式でデータをお送りいただくので、使用アプリケーションが何かはあまり関係なくなってしまうのですが、改めてシェアの大きさを実感しました。
——最後に、小説の冊子制作についても質問していただきました。こちらはMicrosoft Wordが多かったですね。
冊子印刷で小説を書かれる方、どのようなアプリケーションをご利用でしょうか?
今村 はい、当社では最新バージョンのMicroSoft Wordの使用を推奨しています。Word以外でも最終的にPDFに出力していただければ入稿できますが、特にMacのQuartzやフリーソフトをお使いの場合は文字化けなどのエラーが発生しやすいためを避けるためにWordで執筆し、Wordの書き出し機能でPDFに出力していただくのが安全です。