• 笑わせる稲田とそれを見る街の人 (C)2024 FANY Studio

――普段から街で声をかけられやすいほうですか?

はい。日と場所によりますけど、わりとかけられやすいタイプの芸人だと思います。でもこの企画って、「芸人さんやから出会った人全員笑わせるでしょ?」っていう大きなテーマがあるじゃないですか。でも、芸人って別に出会った人全員笑わそうとしないですよ。しんどいっすよ。そんなことできるのは、(明石家)さんま師匠ぐらいですよ。

――改めて笑わせることの難しさを痛感されたと。

単純にネタがおもろい・おもろないというより、どうやってアプローチするかという問題があるんです。最初に挨拶1つ入れるか入れないかで、聞く耳を持つか持たないかということになってくるので、礼儀って大事やなと思いました。

――相手は初対面ですもんね。

急に「こんにちはー、ギャグします」って誰が笑うねんと思いますし、急いでる方かもしれないしとか考えると、ただ面白いだけでもいけないなって思いましたね。

――そうすると、劇場でネタを披露するとか、番組でトークするのとは違う筋肉を使っている感覚なんですね。

はい。初対面の方に合う笑いを1分で見極めるというのは、ちょっと今までやったことがなかったので、いい経験になりました。

――この経験が、例えばトーク番組で初対面の知らないアイドルの方と瞬時に絡むことになった場面で役立つとか、ありそうですか?

そうですね。ただセンスがいいだけじゃダメだし、やっぱり懐に入るというか、コミュニケーション能力の高い人はすごいなと思いました。

――全く新しいお笑いの賞レースが始まったという感じでしょうか。

ちょっと怖すぎますけどね(笑)

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声をかけられる街・巣鴨

――賞金1,000万円を独り占めできたら、何に使おうと?

僕、大阪の四条畷市っていうところの出身なんですけども、その四条畷市のPR大使をやらせていただいて、自分の顔をモチーフにしたグッズがあるんです。クッションとちっちゃいキーホルダーがセットで、四条畷市のふるさと納税の返礼品になってるんですけど、こだわりを詰めすぎて、ちょっと(寄付金額が)高いんですよ。だから余りまくってて。恩返しするつもりがちょっと負担をかけてしまってるんで、1,000万円で1回清算したいなと思ってました。

――この番組がまたあったら、チャレンジしたいですか?

いや、したくないです(笑)。ただ、ちょっとコツをつかんだんで、後輩たちの育成に回りたいですね。「こうしたほうがいいよ」って教えることができると思うので。

――これから街で声をかけられた時の対応は変わりそうですか?

今日を思い出すでしょうね。街で顔を指されるとか、テレビに出て知ってるって言われるのに、あんなに憧れてたのに、今日は「もう声かけてくんなよ」って思いましたから。

特に、巣鴨がすごかったですね。子どもと一緒にいるお母さんが手振ってきて、無視するわけにもいかないんで、それに応えたらもう接触じゃないですか。

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