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この難しいテーマを成立させるのに、3人の主要キャラクターの好演も欠かせない。

松本若菜は、前クールの『西園寺さんは家事をしない』(TBS)でも見せた快活さが随所に発揮され、重苦しさで支配されがちな空気感の中にちょっとした希望を与えてくれる。一方で、彼女の奥底にある“芯の強さ”が今作では違った方向に根差すことで、ともすれば“そんなことができるはずがない”という物語に、説得力をもたらしている。

夫役を演じる田中圭は、本来の良さであろう“いい人”を完全に封印している。女性から見ても男性から見ても誰にとっても“ひどい男”を見事に演じているのだが、それが田中であるからこそ、これから先のストーリーで、なぜそんな男になってしまったのか、深読みさせてしまう奥行きがある。

主人公と偶然に出会い道ならぬ恋に落ちてしまう幼なじみを演じる深澤辰哉も魅力的で、相反するであろう、一瞬で恋に落ちてしまう王子様的要素と、人たらし的要素、どちらも兼ね備えた絶妙なキャラクターを見事に演じている。

“詰め込まれた”第1話で見どころは満載なのだが、まだまだ序章。“怖ろしさ”のその先に何が待ち受けているのか。3か月の長旅をずっと見守りたくなってしまう初回だ。

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