近年、俳優としての評価がうなぎ上りの草なぎ剛。2017年9月22日に稲垣吾郎、香取慎吾とともに「新しい地図」を立ち上げてから7年、先月『with MUSIC』(日本テレビ)で立ち上げ後初となる3人そろっての音楽番組出演を果たすなど、今年さらに活躍の場が広がっている。俳優・歌手・タレントとマルチな活躍を見せているが、観客と同じ時間を共有できる舞台やコンサートが自身の核だという。今冬、舞台『ヴェニスの商人』でウィリアム・シェイクスピアの作品に初挑戦する草なぎに、同舞台への意気込みや生のステージへの思い、新しい地図として7周年を迎えた心境を聞いた。

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    草なぎ剛 撮影:蔦野裕

NHK連続テレビ小説『ブギウギ』での羽鳥善一役も記憶に新しい草なぎだが、歌手・タレントとしても地上波テレビに出演、CMへの起用も相次ぐなど、ますます存在感が高まっている。『24時間テレビ47』(日本テレビ)内で放送されたドラマに香取が出演し、草なぎが語りを担当したことも話題を呼んだ。

草なぎは「確かに歌番組や『24時間テレビ』に参加させてもらったり、新しい風が吹いてきて、今まで声がかからなかったところから声をかけていただけているので、うれしい限りです」と喜び、「この道を進んできてよかったなと。自分がどの道を歩けば正解なのか、進んでみないことには誰もわからないと思いますが、選んだ道は本当に正しかったなと思えるし、これからもゆっくりゆっくり進んでいきたいなと思います」と手応えを口にした。

映像作品でも活躍する中、若い頃から舞台をより大事に感じているという。

「歌を歌うことも含めて、人前で生で表現するというのは、自分の中で一番の核となる部分なので、これからもできる限り舞台に立ち続けていきたいなと思っています。そこに重きを置くことが僕の人生の一番の物語になっていくんじゃないかなと。健康で元気じゃないとできないことだから、いつか絶対に立てなくなるときが来るということも考えるし、自分への挑戦だなと思うので、突き詰めて考えると一番大事な仕事なのかなと思います」

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そして、ファンや観客と同じ時間と空間を共有できる場だからこそ、舞台は特別だと語る。

「生の空気感は何物にも代えがたい。もちろん映画に足を運んでいただいたり、ドラマを見ていただいたりするのもうれしいですが、僕自身もそこにいて、お客さんもいて、その作品がようやく出来上がるというのは、かけがえのない唯一無二の世界観なので」

また、舞台は「自分と一番向き合える場所」だという。

「ストップしてもう1回ということができず、やり直せないという緊張感は舞台ならでは。その緊張感がある故に、自分と向き合うというか、『あのセリフ昨日は言えたのになんで間違えたのかな』とか、自分に問いただす時間が増えるんです。ほかの仕事もそうあるべきですが、人間って、僕は特にそうですが怠け者なので、楽な方に流されて、『ドラマはもう1回やらせてくれるから大丈夫』とどこかで思ったり(笑)。舞台をやると日頃の生活や自分の思考を正してくれます」

舞台があると日常の生活も変わっていくそうで、「食べるものや睡眠も考えますし、体力も温存しないといけないなと。本当はドラマも映画もそうやって臨まないといけないんですけど、人間だから『もう1回できる』という思いがあって。でも、舞台をやるとそれは良くない考えだと思わせてくれるので、生きていく上でめちゃくちゃ大事なことを学ばせてくれる場所になっています」と語った。