ユニークなラインナップのマイクロエース、「味タム」組立キットも

続いてマイクロエースのブースでは、今秋から来年初頭頃に発売予定の製品の試作品が多数展示された。過去に発売されたことのある車両の再生産要望を多く受けているとのことで、今回展示された試作品は過去ラインナップの仕様違いや、改良品が主となっている。小田急ロマンスカー「EXE α」(30000形)、新幹線電気・軌道総合検測車「East-i」(イーストアイ)、キハ72系「ゆふいんの森」など、同社ならではの車両が今後再生産予定となっている。

一方、「E721系0番代 P-6編成+P-36編成 4両セット」(品番「A7494」、予価2万9,920円)は、東急車輛(現・総合車両製作所)で製造された編成を再現。屋根のビード、妻面、側面上部の押出し形状が川崎重工業製造個体と異なり、床下・台車はライトグレーとなる。同車に近似する「阿武隈急行AB900系(2号車 / グラスグリーン) 2両セット」(品番「A7121」、予価1万7,160円)も発売される予定。昨年発売された第1編成のカラーバリエーションにもなる。

  • マイクロエースが2025年初頭までに発売予定の製品を出展

  • テラ1形から始まった「MA’s CRAFT」に「味タム」タム5000形を追加。キット構成やデカールが展示された

  • 485系「シルフィード」は、薄型室内灯によって展望室まで明るくなる

組み立てキットシリーズ「MA’s CRAFT」の展開も続いており、会場では「味タム」ことタム5000形の見本が展示された。キットとはいえ、部品構成は比較的少なく、成形色の状態でも十分な仕上がりになる。各種表記は水転写デカールで表現し、フォントの違いや車番のバリエーションも非常に多い。加えて、ドーム周辺手すりの加工によってさまざまな設定に見立てることができるので、初心者でも挑戦しがいのあるキットに見受けられた。完成品との2本立てで発売が予定されており、3両組立キットは品番「L3075」、予価2,838円。完成品の4両セットは品番「A3075」、予価1万1,000円とのこと。

過去に発売された製品の薄型室内灯対応化に関して、今回は485系「シルフィード」「NO・DO・KA」が予定されている。どちらも先頭車両に展望席が設けられているが、前回品では室内灯を展望席まで伸ばせない構造になっていた。今回のリニューアルで、薄型室内灯に対応することにより、展望席まで明るく照らせるようになる。「485系700番代『NO・DO・KA』登場時 3両セット」(品番「A3954」、予価2万4,200円)、「485系『シルフィード』 3両セット」(品番「A3953」、予価2万4,200円)として発売を予定している。

来年で創立50周年、グリーンマックスの新製品やキット作例を見る

最後はグリーンマックスのブースへ。2025年に迎える創立50周年の特別企画として、製品の歴史をパネルで紹介した。同社が長年販売を続けている、いわゆる「板状キット」のサンプルや、鉄道模型雑誌・SNSで制作ノウハウを発信しているEキットマン氏による制作見本も展示された。未塗装キット以外に、着色済みキットや一体成形車体、塗装済みキットなども幅広く展開されているので、工作初心者も参入しやすくなっている。

  • グリーンマックスの製品の歴史や、キット内容・制作例が詳細に展示された

Nゲージ車両の新製品としては、「JR213系5000番代(2次車・飯田線)」が11月以降の発売予定に近づいている。過去に発売していた211系5000番代系列と共通の前面で、車体・ガラス・屋根を新規製作。動力付きの基本セットは品番「31933」、価格1万8,260円。動力無しの増結セットは品番「31934」、価格1万5,290円。

E653系にも新ラインナップが加わる。「フレッシュひたち」のデザインで水色を施した「E653系1000番代(水色) 7両編成セット(動力付き)」(品番「50789」、価格4万3,120円)と、2024年5月の新潟駅開業120周年、同年7月の羽越本線全線開通100周年を記念したカラーリング「E653系1100番代(上沼垂色) 4両編成セット(動力付き)」(品番「50788」、価格3万2,010円)がともに2025年1月以降発売予定となっている。

東武アーバンパークライン(野田線)で活躍中の8000型8111編成は、塗装済みキットとして2025年2月発売予定。ツートンカラー(品番「1286T」、価格2万7,830円)とセイジクリーム(品番「1287T」、価格2万6,400円)の2種類が展開される。

  • 11月予定の213系5000番代をはじめ、今後もさまざまな車両を発売予定。ビン塗料も来年からリニューアル

車両だけでなく、ビン塗料「鉄道カラー」も2025年2月以降、順次リニューアル。従来品よりも完成品車両に準じた色調に変更されるとのこと。通勤型車両で使用される青22号・朱色1号・黄5号・黄緑6号・青緑1号が2月発売予定(各価格440円)となっている。標準の塗料とは別に、創立50周年を記念した「グリーンマックス 50th 記念カラー6本セット」(品番「C-900」、価格2,750円)も2月発売予定。こちらはグリーンマックスにゆかりのある色のセットとなっている。

各社とも出展内容が充実しており、掲載の都合上、紹介しきれなかった製品も多い。とくに気になる製品やメーカーがあれば、ぜひ各社公式サイトもあわせて参照してほしい。