第37回「波紋」では、1008(寛弘5)年から1009(寛弘6)年の様子が描かれた。今回は赤染衛門、ききょう、賢子という3人の女性の心情が、視聴者の関心を集めた結果となった。平安のホームドラマ、『光る君へ』ならではのストーリー展開が秀逸だった。1000年経った今も、人が持つ感情や行動はそれほど変わりはないのかもしれない。

注目度トップ3以外の見どころとしては、フラグの立ちまくる敦康親王が挙げられる。左大臣・藤原道長は、異母弟である敦平親王を次の東宮に据えようと考えているようだが、敦康親王の運命はどのような結末を迎えるのだろうか。

また、性懲りもなく成功したことのない呪詛をライフワークとする藤原伊周や、突然のアクシデントにめっぽう強い中宮・藤原彰子の姿も印象的だった。火事の時もそうだったが、常人なら取り乱すような場面でも落ち着いて対応する姿には大物の風格を感じる。また、二個いちで登場する機会の多い藤原道綱(上地雄輔)と藤原実資(ロバート・秋山竜次)の2人の大納言が展開する、緊張感のない状況説明のやり取りは、『光る君へ』において一種の清涼剤となっている。

そして、藤原公任(町田啓太)と伊周の弟・藤原隆家(竜星涼)が対峙(たいじ)するシーン(20時40分)も注目を集めた。「公任さまと隆家の美形同士の駆け引きがスリリング」「公任さま、先週のほろ酔いとのギャップがすごい」「2人の間にスパイ契約が成立!?」「道長くんを親友として、部下として、陰で支えようとする姿が頼もしい」と、SNSでは盛り上がりを見せた。公任さまに関しては、もはや何をやっても注目が集まる構造になってしまっているようだ。

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きょう6日に放送される第38回「まぶしき闇」では、中宮・藤原彰子とその第一皇子・敦平親王、そして『源氏物語』を軸にさまざまな思惑が錯綜する様子が描かれる。予告編での映像も情報量が多く、物語が大きく動きそうだ。次回は果たしてどのシーンが最も注目されるのか。