キャスト陣の肉体改造の努力も称える。
「みんな時間があったら何か口に入れたりしていて。ダイエットもしんどいですけど、ウエイトを上げるのは実はもっとしんどい。全然太れない子にしてみたら、苦痛でしかなくて、食べることも苦痛になってしまう。さらにみんなビルドアップして筋肉もつけて」
そして、本作はエンタメ作品ではあるものの、「戦う女の子たちのリアルなドキュメント」「戦った女の人たちの生き様」だと言い、「自分もこんなに寄り添ってやることはもう二度とできないですけど、役者さんたちも『もう二度とできない』と言っているので、精も魂も尽き果てるぐらいすべてを注いだのだと思います」とキャスト陣の奮闘を称える。
撮影を見ていて、当時の自分たちだと思う瞬間は何度もあったそうで、「彼女たちは本当に、ダンプ松本だったし、長与千種だったし、ライオネス飛鳥だった。私の中では申し分ないぐらい表現していただいた。『演じた』ではなく『リアルに戦ったよね』と言ってあげたい」と最高の賛辞を送った。
さらに、本作について「明日頑張ろうと思える物語」と述べ、「自分もそうでしたが、どの社会においても、女の子たちは強がっていかなきゃいけない時がある。本当は泣きたくても、泣くのを我慢して、今日を乗り切るという人たちがいっぱいいると思います。一生懸命努力してもなかなか会社に認めてもらえないとか。そういった社会の縮図を彼女たちが表現していて、女の子たちがいろんなものを背負ってリングに立ち、自分の中の頂点をつかんでいくドラマなので、登場人物ごとにいくつものストーリーがあるんです。それぞれの物語を楽しんで、何か一歩踏み出そうと思ってもらえたら」と語った。
1964年12月8日生まれ、長崎県出身。1980年に全日本女子プロレス興業(全女)でデビューし、1983年にライオネス飛鳥とクラッシュ・ギャルズを結成。男子プロレスの格闘技要素も取り入れて、空前の女子プロブームを巻き起こす。ヒール軍団・極悪同盟との死闘でファンを熱狂させたが、1989年に最初の引退。つかこうへい作・監督、演出工藤栄一の作品の主演映画『リング・リング・リング 涙のチャンピオンベルト』のプロモーションを兼ねて1993年、全女の創立25周年記念大会に特別出場。同年11月、JWPマットでフリーとして正式復帰。1994年にGAEA JAPANを設立し、看板選手として新人育成にも尽力し脅威の新人を輩出した。2005年に解散・引退。2016年にMarvelousを設立し、代表と運営、さらにプロデューサーとして活躍している。