9月20日の報道関係者向け内覧会は西大寺車庫で行われた。公開された車両は「8A102」(ク8A1形)、「8A202」(モ8A2形)、「8A302」(サ8A3形)、「8A402」(モ8A4形)の4両編成。従来車両の特徴でもあった「ツートンカラーの近鉄らしさ」を受け継ぎつつ、より深みを増した赤色の外観カラーが印象的だった。車体前面のデザインも斬新で、この車両が今後、近鉄の一般車両における「新たな顔」になると予想される。

車内は「日常の華やかさ」をコンセプトとしている。花柄をあしらったL/Cシートに加え、床面に波紋をイメージしたデザインが施され、華やいだ雰囲気と落ち着いた雰囲気が共存しているように感じられた。「やさしば」にも座ってみたが、深く沈み込むような感覚があり、近鉄の特急車両をほうふつとさせる座り心地だった。「やさしば」はベビーカーや大型荷物を持った乗客だけでなく、誰でも利用可能とのことで、混雑していない時間帯に8A系を利用する機会があれば、改めて「やさしば」に座ってみたいと思った。

新型一般車両8A系は今後、9月28日の有料撮影会(宮津車庫で開催)、9月29日の有料試乗会(大阪上本町駅から近鉄奈良駅、橿原神宮前駅、天理駅など経由し、京都駅まで走行)を経て、10月7日から運行開始。奈良線、京都線、橿原線、天理線での運行を予定している。2024年度は計48両(4両編成×12編成)、2025年度は計36両(4両編成×9編成)を導入予定。なお、他の主要路線でも新型一般車両を計画しており、2025年度の導入予定両数は大阪線で計8両(4両編成×2編成)、名古屋線で計12両(4両編成×3編成)、南大阪線で計12両(4両編成×3編成)とされている。

  • 新型一般車両8A系の運転台

  • 新型一般車両8A系の車内

  • 新型一般車両8A系の外観