• 池松壮亮 (C)フジテレビ

池松については、「6話で夏に水季の闘病について聞かれて、津野(池松)が“思い出したくないです”と言う芝居があったんですけど、台本では“即答する”と書いてあったんです。でも、あれだけ溜めて溜めて溜めて、“思い出したくないです”と言っていて、あの言葉にすべてが集約されていた。その前の“僕のほうが悲しい自信があります”も含めて、7話で水季の訃報を聞く電話で理由が全部分かるような作りになっていて、この一連の池松壮亮という人の演技は、何年もこの仕事をやってきましたけど、あまりのすごさに完全に圧倒されました」と驚かされたそう。

また、「僕は、生方さんの書いた本を読んで、自分なりに解釈して、こういうお芝居がくるだろうと思ってプロデュースをしているんですけど、その向こう側にあるもっと深いものを池松さんの芝居が教えてくれるんです。それは、もしかしたら生方さんが本を書いているときに感じていたものなのかもしれないし、それとはまた別のものなのかもしれないけど、もはや天才たちが天高いところでで対決してるような感じがしています。池松さんの芝居には、もはや感心を通り越して、感動して見入っています」と感服した。

  • 古川琴音 (C)フジテレビ

そして、古川については、「あの不思議なキャラクターをとにかく魅力的に見せてくれていますよね。古川さんじゃなかったら…と思うと、ちょっとゾッとするところもあります」と想像。「なんとも言えない捉えようのない感じだけど芯が強い。男女問わず、あのキャラクターだったら翻ろうされるなっていう魅力がちゃんと出せているのは、古川さんだからだと思います。あの空気は彼女しか出せなかったなと思います」と、キャスティングの成功を確信した。

そんな水季と津野を主軸とした特別編『恋のおしまい』(8話と9話の間に放送)に関しては、「古川さんと池松さんの素晴らしさがこれ以上ないくらいに出せたと思っています」と振り返る。

「連ドラ本編の中では、水希が夏と別れた後、一人で海を育てていた時期のことはそれほど多くは描かれていません。その時期の水季を描くスピンオフ的なものを作れたらと考えたのが、『恋のおしまい』でした。結果的に連ドラの放送枠で見てもらえたのは本当に良かったと思っています。津野が抱える感情の理由、夏の知らない時期の水季の想い、それらを知った上で本編を見ると、きっと何かが違って見えてくるんじゃないかと思っています」

  • 特別編『恋のおしまい』より (C)フジテレビ

オーディションでダントツだった泉谷星奈

物語の中で、癒やしの存在にもなっている子役の泉谷は、『いちばんすきな花』で今田美桜の幼少役を演じていた。当時から「シンプルにお芝居が上手だったし、大人たちの間に入ってもおびえる感じや恥ずかしがる感じがなく堂々としていて、しかも“待つ”ということもしっかりできるので、プロだな」という印象を持っていたが、今回の海役は大々的なオーディションを実施。泉谷にもシード権なしで参加してもらったという。

それでも、結果として「ダントツで星奈ちゃんでした。一番お芝居が上手だったし、泣く演技も見事だったし、理解力もすごくあったんです」と決めた。

ちなみに、『いちばんすきな花』で選んだ際は、脚本の生方氏が「この子知ってます?」と推薦してオーディションに参加。高野舞監督も村瀬氏も即決だったといい、「その時点でもう輝いていたんです」と振り返る。

現場のムードメーカーにもなっているそうで、「みんな大好きで、大竹さんなんてずっとギューってやってますから(笑)。僕が髪を切ったら、現場でどのスタッフよりも早く“あー村瀬さん髪切った!”って言ってくれて、彼女は将来間違いなくモテますね(笑)」とエピソードを明かした。

  • (C)フジテレビ

  • 村瀬健プロデューサー