3人が自身の青春時代を回顧
――今回、自身が演じられたキャラクターと共通している部分、共感できる部分があれば教えて下さい。
鈴川:私は共通点が多いなと感じています。クラシックバレエを習っていたところ、運動神経が悪いところ、ちょっとドジなところも似ていますし、頭で考えるよりも先に体が動いちゃう、突っ走っていっちゃうところもとても似ているなと……
逆に、私にはない部分でいうと、先ほどもお話ししましたが、トツ子は明るくて周りを巻き込んでいくようなパワフルなところがあるんですが、私にはあまりないので、そういったところは素敵だなと思っていました。
――パワフルなところがないとおっしゃったときに高石さんと木戸さんが首を横に振っていましたが……
高石:そんなことないよ! いつも笑顔にしてくれる!
鈴川:……(照)
木戸:恥ずかしくなってる(笑)
――高石さんはどうでしょうか?
高石:きみという役は、自分が思う自分と周りに見せる自分とのギャップに悩んでいる子なのですが、去年の自分も同じことでとても悩んでいたので似ているなと思います。きっと同じ悩みを抱えている方も多いと思うので、山田監督がこの年代特有の悩みをすごく繊細に描いているなと感じました。違うところでいえば、きみはすご~くネガティブなんですが、私は結構楽観的なところがあります。
木戸:僕は小学生の頃から同性だけでなく異性の友達もたくさんいて、みんなで仲良くしていたことが多かったので、そういう経験から男の子1人の状況でも全然話せるし、居心地が悪いということはない性格です。ルイくん自身もバンドを組むとなったときに、多分そこは全然考えてなかっただろうし、好きなことが共通している3人だったからルイくんも一緒にいたと思うので、そういった分け隔てなく付き合う感覚は理解できました。あと、ルイくんみたいに好きなことにどんどん熱中していく部分は自分にもあるので、そこは共通点かなと思います。
――トツ子ら3人はバンドを結成して文化祭でライブをしていましたが、3人の青春時代の思い出はありますか?
鈴川:青春だったこと……?
木戸:(数カ月前まで高校生だった鈴川に対し)この間まで青春だったでしょ?(笑)
高石:(笑)。大学生になって!
鈴川:でもやっぱり、制服は青春だったなと感じます。今もお仕事などで着る機会はあるんですが、高校を卒業してから制服を着るとそわそわしてしまう。卒業して何カ月しか経ってないんですが、最近「もう私は高校生じゃないんだな」と寂しさを感じています。
木戸:確かに卒業してすぐくらいのほうが感じるかもね……僕も制服ももうコスプレなんだって卒業した直後のほうが感じていた気がする(笑)
高石:私は通信制の高校に通っていたこともあって、そのころにはもうお仕事をしていたので、仕事が青春でした。でも最近、青春だなと感じたのは友達と「お店が閉まるから走ろうぜ!」 といって走っていた瞬間(笑)。「友達と走っているのは青春になるんだ!」と感じました(笑)
木戸:僕は高校生のときはお仕事をしていなかったから文化祭かな。当日もそうだけど、どちらかというと準備をしている放課後のほうが良かったなと思います。
これまでの印象から考えるそれぞれのイメージカラー
――今作で初共演の3人ですが、お互いの第一印象やこれまでアフレコ、宣伝活動を通して感じたことなどを踏まえて、それぞれの“色”イメージカラーを教えてください。
鈴川:キャラクターの色のイメージが強すぎて、そっちに寄っちゃうから難しい……!
高石:きょうの服の色もそうだから服を隠して……(笑)。私は、紗由ちゃんは赤色、木戸さんはオレンジと緑を混ぜた特殊なカラー! 紗由ちゃんが赤なのは、周りを朗らかにしてくれるキャラクターなんですけど、そのなかにある芯がたまに見えるときがあるんです。役に対する熱の注ぎ方が赤い炎のような部分があって素敵です。木戸さんは太陽みたいな明るさと、ルイが持っているような優しさとか絶対に人を傷つけない言葉選びや柔らかい空気があるので、オレンジと緑です。
鈴川:まずあかりちゃんから。初めて会ったときの印象がクールで凛としているイメージがあったので、青のイメージがあるんですけど、中身は太陽みたいな存在で周りの空気を作ってくれてパワフル。だからあかりちゃんは濃い深い青。木戸さんはもうルイくんと本当に雰囲気も似ているなと感じます。さんさんとしてる太陽とポカポカしている太陽のイメージがあるので黄色。私は年が離れているんですが、優しいお兄さんのような安心感のある存在です。
木戸:ありがとう! 紗由ちゃんはピンクとかかわいらしい色のイメージがあります。一緒にオーディションを受けているときから、「実写版トツ子がいる」という印象がすごくあって、そこから色々お話しをしてみても、トツ子のかわいらしさを紗由ちゃん自身が持ってるんだなっていうことに気付きました。
あかりちゃんは最初ミステリアスな感じなのかなと思っていたんですが、初めて3人で一緒になったときに、さっきの温度調節の話じゃないですが、最初に口を開いて話してくれたのがあかりちゃんだったんです。そこからお姉さんとしてドンといてくださる太陽みたいな存在なので、オレンジかなと思います。
■鈴川紗由
2005年12月27日生まれ、和歌山県出身。2020年にユニバーサルミュージック初の女優オーディション「“ニュー・ヒロイン”オーディション」で特別賞を受賞。主な出演作に大河ドラマ『どうする家康』、ドラマ『クールドジ男子』、映画『女囚霊』、「私の卒業プロジェクト」5期 映画『こころのふた〜雪の降るまちで』など。
■高石あかり
2002年12月19日生まれ、宮崎県出身。2019年から女優として本格的に活動。主な出演作に映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ、映画『わたしの幸せな結婚』、ドラマ『墜落JKと廃人教師』シリーズ、舞台『鬼滅の刃』、映画『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』など。映画『スマホを落としただけなのに 〜最終章〜 ファイナル ハッキング ゲーム』(11月1日公開)、映画『私にふさわしいホテル』(12月27日公開)の公開も控えている。
■木戸大聖
1996年12月10日生まれ、福岡県出身。2017年にドラマ『僕たちがやりました』で俳優デビュー。主な出演作にNetflixオリジナルシリーズ『First Love 初恋』、映画『先生! 口裂け女です!』、映画『大怪獣のあとしまつ』、『メイヘムガールズ』、ドラマ『僕たちの校内放送』、ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』、ドラマ『9ボーダー』など。現在はフジテレビ系ドラマ『海のはじまり』(毎週月曜21:00~)に出演中。映画『ゆきてかへらぬ』(2025年2月21日公開)の公開も控えている。