役を演じるための訓練・体作り・勉強
――それぞれの役を演じるにあたって、意識しているのはどんなことでしょう。
知念:ショウマは明るく元気で、食べることが大好きな青年です。ふだんは笑顔で、愛嬌いっぱいなかわいげのあるキャラなのですが、実は異世界から来たという謎の多い人物でもあります。人間の世界に憧れを持っていて、食べ物、特にお菓子に対して強い好奇心を抱いているんです。まっすぐで何事にも一生懸命なところを観ていただき、応援してもらえるようなキャラクターになっていると思います。ショウマを演じるにあたっては、普通の人間と価値観が違うという部分こそありますが、根本的な感情は一緒。1人の等身大な青年として演じられるよう、役に向き合っています。
日野:絆斗はフリーライターとしてグラニュートの事件を追う男。生い立ちも含めて、これまで苦労を重ねてきたので、社会を生き抜く生命力を備えています。同時に、あるトラウマ的なできごとのせいで、他人と距離を置いて、思いを抱え込んでしまう。自分の身を危険にさらして突っ込んでいく「危うさ」を持ち合わせるキャラクターなんです。絆斗がショウマと出会って、どう心情を変化させていくのかは、この1年間での僕の成長にかかっていると思うんです。絆斗がどのような経緯で仮面ライダー(ヴァレン)になるのか、という部分に注目してください。
宮部:幸果はとにかく明るく、元気で、まったく偏見を持たない女性なんです。絆斗なんて、クールなキャラなので普通だったら話しかけるときに緊張したり、怖いなあって思うんですけど……。
知念:最初は、絆斗ってちょっと怖いかもしれないよね(笑)。
日野:俺自身は怖くないよね? 大丈夫だよね?
宮部:うーん……(笑)。
日野:その「間」、やめい(笑)!
宮部:(笑)。クールな絆斗も、陽気なショウマも同じような感じで気さくに話しかけ「ヤッホー! はぴぱれ、手伝って!」と言えちゃうのが幸果なんです。2人をどんどん振り回していく感じ(笑)。心の底から「人を幸せにしたい」と強く思っているんですけど、自分にできるのかな……という悩みもある。経験を重ねて強くなっていく幸果を演じることで、観てくださる方たちに勇気をお届けできたらなと思っています。
――それぞれの役を演じるにあたって、事前に取り組まれたことはありますか?
知念:異世界から来たショウマだけに、僕たちが日常で当たり前に見るもの触るものの中にも、彼にとっては生まれて初めての体験になるものが多いんです。その感情を自分の中に落とし込むため、何気なく道を歩いているときでも、目についたものを「生まれて初めて見るもの」のように思う訓練をしていました。
日野:僕は……みなさんちょっと勘付いていると思うんですけど、肩幅が狭いんです(笑)。
知念:いや~たぶん、誰も勘付いてないと思うよ(笑)。
日野:絆斗は革のコートを身に着けているのですが、衣装合わせのとき杉原(輝昭)監督から「コートに着られてるな」って言われたんです(笑)。サッカーをやっていたとは思えない身体の細さを指摘されたので、これは役の威厳にも関わるぞと奮起して、アクション監督の藤田慧さんからアドバイスをいただきながら、少しでも身体を大きくするよう鍛えていました。これからも、少しずつかもしれませんけれど「肉体改造」をしていきます!
宮部:幸果ちゃんはギャル社長で、見た目も派手でしゃべり方も元気そのものなんですけど、私自身はずっと髪も真っ黒でしたし、薄いメイクが好きで、服装も「清楚系」を好んでいましたから、ギャルの役だと聞いて最初は「どうしよう……」と思いました。ギャルが出てくる映画などを観て勉強しましたけど、杉原監督からはずっと「もっと明るく、もっと明るく!」と言われていました。今後は、もっともっと明るい幸果をお見せしていきたいです。
視聴者に伝えたいことは「ほんとうに、お話が面白い」
――『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』や『機界戦隊ゼンカイジャー』などで活躍された、香村純子さんの手がける台本を最初に読んだときのご感想はいかがでしたか?
知念:台本を初めて読んだとき、面白すぎて何度も読み返しました。作品世界にすぐ引き込まれて、香村さんのお話作りはやっぱりすごいなと感じました。この面白さを、僕たちキャストの動きを通じて、視聴者のみなさんに伝えたい……と強く思いました。
日野:出てくるキャラがみんな魅力的で、純粋にドラマとして面白いなって思いました。みんなの人生が濃くて、それらが複雑にまざりあっている。毎週見逃せないですよ。最初から最後までドラマとしてつながっているので、連続して毎週欠かさずご覧になっていただきたいです!
宮部:ほんとうに、お話が面白いですよね。この3人(幸果、ショウマ、絆斗)は楽しくコミュニケーションをとっているんですけど、実はひとりひとりに悩みとかコンプレックスとかがあって、自分の内面でいろいろなものと戦って、成長していきます。台本を読んで私も勇気をもらっていますし、役を演じることでみなさんに勇気を与えられたらいいなと思いながら、撮影を頑張っています。
2005年3月19日生まれ。沖縄県出身。2021年、スターダストプロモーション主催の第2回スター☆オーディションでファイナリストに選ばれ、芸能界入り。ドラマ『埼玉のホスト』(23年)、『君が死ぬまであと100日』(23年)、『マルス -ゼロの革命-』(24年)などに出演。
2002年6月3日生まれ。愛知県出身。2018年、MAG!C☆PRINCEの弟分グループオーディションに応募。総数5,075名の応募者の中からメンバーに選ばれ、TOKAIスクールボーイズとして芸能活動を開始。現在は、加藤大悟との2人組ユニットHi☆Five(ハイファイブ)として活動中。
2003年5月22日生まれ。愛知県出身。2019ミス・ティーン・ジャパン グランプリを受賞し、芸能界入り。ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(19年)、『真夏の少年~19452020』(20年)、『君に届け』(23年)、『となりのナースエイド』(24年)、映画『20歳のソウル』(22年)、『変な家』(24年)などに出演。