国民的スターである“欽ちゃん”を演じることには、やはりプレッシャーもあった様子。
「最初は、本当にスーパースターというか、芸能界の中でも大御所中の大御所の方を演じさせていただくんだ…と思いました。皆さんの心の中にある“欽ちゃん”のイメージを崩してしまうようなことがあったらいけないと思いながら、日々演じています。そういう意味で、今までに経験したことのないような重圧、責任みたいなものを勝手に背負ってますね」
それでも、「我ながら、意外と評判いいんです(笑)」という昭和を感じさせる衣装やかつらの力も借りながら、「現場の皆さんがすごく助けてくださるので、後悔をしないように、いい意味で役柄を意識しすぎず、思い切り演じていこうと思っています。台本が面白いですし、共演者の皆さんも素敵な人たちばかりなので、ワンシーンワンシーン、台本に描かれてる素敵なシーンを作るということを全うできるように集中力を持って演じています」と臨んでいる。
撮影では舞台に立つシーンも。そこでは、「エキストラさんが観客で100人以上来てくださって、ものすごい熱い拍手と笑いをくださったので、ちょっといい気持ちになっちゃいました(笑)」と、芸人の醍醐味も味わった。
細かい仕草や癖も取り入れて表現
40歳の伊藤は、萩本のことを『仮装大賞』から見てきた世代。今回演じるにあたり、コント55号時代などの昔の映像を見て、「すごくアクティブでキレッキレなイメージがありました」といい、「そういう面も大切にしながら演じたいです」と意識している。
共演者には、萩本のYouTubeにも出演している浅井企画所属の若手俳優がおり、彼らから、お辞儀をする時の手の形や、照れた時に髪をかくといった細かい仕草や癖を教えてもらっているのだそう。「“語尾を伸ばさず、キレよくスパッと言いなさい”といったことも教わっているそうで、そういうところもヒントにしながら、取り入れて表現できたらいいなと思っています」と意欲を示した。