『スカイキャッスル』 木曜21時~ テレ朝

出演者:松下奈緒、木村文乃、比嘉愛未ほか
寸評:韓国の受験事情を日本に置き換える強引さは否めないだけに、それを振り切るほどの話題性を生み出せるか。序盤は『六本木クラス』(テレ朝)と同様に「批判を避ける」という保守的なプロデュースの印象が強く、良くも悪くもテレ朝らしい。視聴者にリメイクの窮屈さを感じさせず、女優たちの新境地を引き出せたら、ネット上を賑わせるだろう。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

  • 松下奈緒


『ギークス ~警察署の変人たち~』 木曜22時~ フジ

出演者:松岡茉優、田中みな実、滝沢カレンほか
寸評:ド定番の刑事モノを「変人」でアレンジし、バラエティの人気者を起用してキャラの面白さで勝負……消極的なマーケティングベースのコンセプトでは、五輪が開催される今夏で見てもらうことは難しい。テレ東深夜にありそうなゆるい設定だが、実はかなりの演技力が重要な上に、「変人」の描き方が浅く、相当なテコ入れが必要か。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】

  • 松岡茉優 撮影:望月ふみ


『クラスメイトの女子、全員好きでした』 木曜23時59分~ 読テレ・日テレ

出演者:木村昴、新川優愛、及川桃利ほか
寸評:ことごとく面白い原作エッセイのエピソードに現代パートを加えて見事にドラマ化した今夏最高の掘り出し物。事実上の主演は木村昴ではなく中学生時代を演じる及川桃利で、その他の中学生役も含め、リアルな教室を再現したキャスティングと演出が光る。特に週替わりのマドンナは美少女をそろえるのではなく、どこにでもいそうなたたずまいながら魅力たっぷり。ほんのり甘くほろ苦く、笑いなしでは見られない思春期を描こうとする読売テレビのプロデュースが際立っている。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

  • 木村昴


『しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~』 金曜20時~ テレ東

出演者:中島健人、白石聖、片平なぎさほか
寸評:「『しょせん他人事』がモットーの弁護士がネット上のトラブル、特に誹謗中傷をぶった切る」というコンセプトは現状にマッチ。五輪絡みの誹謗中傷が飛び交う中タイムリーなテーマだが、ドラマはほぼ話題になっていない。今秋で21時台に移動するようにテレ東『ドラマ8』自体の知名度がなく、アイドルドラマとみなされがちな点も含め損をしている。よりネットの怖さを強調したほうが引きつけられるのでは。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆☆】

  • 白石聖 撮影:宮田浩史


『ビリオン×スクール』 金曜21時~ フジ

出演者:山田涼介、木南晴夏、市村正親ほか
寸評:学生が休みの夏に放送される学園モノは貴重であり、「ビリオン」の切り口は珍しいが、その根っこにある“型破りな教師×定番の学校問題”という構図は平成でさんざんやり尽くしてきたもの。肝心の学生層にあまり見られていないことがそれを裏付けてしまっている。どうせなら昭和の教師までさかのぼって、バカみたいに熱い『教師びんびん物語』(フジ)やバカみたいな『愛しあってるかい!』(フジ)のように一周回るくらいフルスイングしたほうが話題性は上がりそう。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

  • 木南晴夏


『笑うマトリョーシカ』 金曜22時~ TBS

出演者:水川あさみ、玉山鉄二、櫻井翔ほか
寸評:「日本の連ドラでは難しい」とされる政治モノだが、ヒューマンとサスペンスを巧みに織り交ぜた脚本にグイグイ引き込まれていく。「誰が人気政治家を操っているのか」をマトリョーシカにたとえつつ、次々に怪しい人物を登場させる原作小説の面白さを制作サイドがそつなく脚色。記者を主人公にすることで政治家の正体や事件の真相を追う連ドラらしい骨太な物語になった。共同テレビの制作だけにTBSのエンタメ路線とは異なるWOWOWに近い世界観が新鮮。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

  • 水川あさみ 撮影:加藤千雅


『伝説の頭 翔』 金曜23時15分~ テレ朝

出演者:高橋文哉、関水渚、井桁弘恵ほか
寸評:第1話からバイオレンスも言葉づかいも強烈で「世の親たちが夏休みに子どもに見せたくないドラマが来た」という感がアリアリ。ただそれも学生層を引きつけるポイントの1つだが、一方で笑いや甘い恋、色気も盛り込まないと最後まで見せるのは難しそう。メインの2役を担う高橋は奮闘しているだけに、女優たちの存在感が鍵を握る。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

  • 高橋文哉 撮影:宮田浩史