• 高杉真宙
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作品のために自分を捧げる――。そんなモチベーションで俳優業を続ける高杉。しかし一方で、「自らの欲」がなくなっていくことには、ほんの少しの危機感も抱く。

「自分ではなく作品を大事にすることで、自分のなかにある欲が薄れてきている気がします。作品のためにはとてもいいことだと思うのですが、向上心という意味では、やっぱりどこか自分の欲というものも必要だと思うんです。その意味で、自分の欲をしっかり見つけることが、今後の課題のような気がします」。

相反するような思いを抱えているという高杉。ベストは、自分の欲と作品がプラスになること。いまはそこを見つけることが、大きなモチベーションになっているという。

「自分が演じることで、作品が良いものになる。そんな役や作品に恵まれるためには、スキルを磨かなければいけないと思っています。それがいまの僕の大きな挑戦のような気がします。僕は歴史ものをやりたいと思っていて(現在放送中の大河ドラマ)『光る君へ』は2度目の大河ドラマ出演になるのですが、2回とも平安時代のお話だったので、他の時代を生きたいなという欲が出てきました。でもそれが作品のためにならなければ意味がないと思うので、その辺りが今後の課題です」。

高杉自身がこだわった長崎での撮り下ろしカットも満載のフォトブック。

「エッセイやフォトブックを出すとき、毎回自分の一部を切り取っているような感じがするんです。『I/my』というタイトルは自分と向き合うという意味と、フィルムカメラで撮った写真なので、現像していみないと分からないところや、未来への曖昧さみたいなものが含まれています。そういう部分を見ていただければ」。

■高杉真宙
1996年7月4日生まれ、福岡県出身。2009年に俳優デビュー。近年はNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』(22~23)、ドラマ『わたしのお嫁くん』(23)、『わたしの一番最悪なともだち』(23)、『となりのナースエイド』(24)、映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-/-決戦-』(23)、舞台『ロミオとジュリエット』(23)などに出演。現在は大河ドラマ『光る君へ』に出演中。

ヘアメイク:堤紗也香 スタイリスト:菊池陽之介