第27回「宿縁の命」では、999(長保元)年の様子が描かれた。左大臣・藤原道長の長女・藤原彰子の入内と中宮・藤原定子の皇子・敦康親王の出産とそれにともなう女院・藤原詮子と一条天皇の母子の確執。安倍清明による道長への一帝二后の献策などが描かれ、内裏での動向に視聴者の興味が集まった。
トップ3のシーン以外の見どころとしては、何といっても石山寺で思わぬ再会を果たしたまひろと道長が、W不倫の果てにまひろが妊娠してしまうという大問題があった。W不倫の舞台となってしまった石山寺は、Xの公式アカウントで、「今年の大河の平安貴族は石山寺を何だと思っているのでしょうかでしょうじゃ」と、興奮のあまり誤字を含んだ投稿をしている。
そして、罪悪感にさいなまれたまひろを気遣う大人の男・藤原宣孝も大きな存在感を示した。まひろの子供が自分の子供でないと気づきながらも「一緒に育てよう」「何が起きようともお前を失うよりはよい」と言って、まひろへの変わらない想いをアピールする宣孝の株がストップ高となった(前回では無神経過ぎる発言を連発し、ストップ安を記録してしまっていたが…)。宣孝の睡眠時無呼吸症候群と思われる症状は何かのフラグだろうか。
愛猫・小鞠の登場にも多くの注目
また、今回新たに登場した彰子の愛猫・小鞠の登場にも多くの注目が集まった。SNSでは、「可愛い見た目なのに鳴き声がいかつくてギャップ萌え」「きれいなハチワレ!」「小鞠ちゃんが彰子さまの笑顔を引き出してくれるかも」などと、その愛らしさと鳴き声についてのコメントが多くアップされた。小鞠ちゃんを演じているのは「ひげちゃん」という女の子の猫。設定上はやはり小麻呂の子供なのだろうか。今後の作中での清涼剤となってくれることを期待してしまう。
登場のたびに視聴者の視線を「くぎづけ」にする藤原公任(町田啓太)だが、今回は彰子の輿入れ道具の屏風絵に供える和歌を提供するシーンに登場した。「待たされましたぞ。肝を冷やしました」と、じらされた藤原行成が小言を言うと、公任は、「下手な歌を詠んでは名折れだからな」と、歌を差し出す麗しい姿は、一瞬でファンを魅了したようだ。当代随一の和歌の名手と謳われた公任の面目躍如のシーンでもあった。「むらさきの 雲とぞ見ゆる藤の花 いかなる宿の しるしなるらむ」(この藤の花が紫の雲かとも見えるほど美しく咲き誇っているのは、この家のどのような吉兆なのであろうか)…左大臣・藤原道長とその家を称えるこの歌は、当時の評価も高かったようだ。
きょう21日放送の第28回「一帝二后」では、娘を出産したまひろが、夫・藤原宣孝とともに幸せそうに過ごす姿が描かれる一方、内裏では左大臣・藤原道長の長女・藤原彰子が中宮宣下を受け、中関白家との権力争いが激化する。そんな中、道長が倒れ、公卿たちの間に不穏な空気が流れはじめる。
『光る君へ』公式サイトでは、道長のたくさんの子たちの人物紹介が新たにアップされており、次の世代(小鞠ちゃんも含め)のキャラクターが続々と投入されている。次回では果たしてどのシーンがもっとも注目されるのか。