テレビ画面を注視していたかどうかがわかる視聴データを独自に取得し、分析するREVISIOでは、14日に放送されたNHK大河ドラマ『光る君へ』第27話の視聴者分析をまとめた。
彰子の入内から6日後に定子が産気づく
最も注目されたシーンは20時30~33分で、注目度79.2%。藤原彰子(見上愛)が入内する場面と、中宮・藤原定子が皇子・敦康親王を出産す場面だ。
999(長保元)年11月1日、左大臣・藤原道長の長女である藤原彰子が、厳かかつものものしい雰囲気の中、ついに入内を果たした。しかし、彰子の入内から6日後、中宮・藤原定子(高畑充希)が産気づく。職御曹司では大勢の僧の読経が響き渡り、中関白家の2人の兄弟である兄・藤原伊周(三浦翔平)と、弟・藤原隆家(竜星涼)は、祈りを込めて弓を天に引く。清少納言(ファーストサマーウイカ)の懸命な支えの甲斐もあり、ついに定子は皇子を産んだ。よほどの難産だったのか、皇子を産んで間もない定子は、息も絶え絶えに清少納言に全身を預けている。
同じ頃、定子の出産の報せを聞いた一条天皇(塩野瑛久)は「中宮は無事か!」と、心中穏やかでない様子で蔵人頭・藤原行成(渡辺大知)に定子の安否を問いかけていた。「中宮様も皇子様もお健やかとのことにございます」という行成の落ち着いた態度と、母子ともに健康であるとの回答に、一条天皇は「ああ…よかった」と胸をなでおろし、安堵の声を漏らした。「おめでとうございます」と祝辞を述べる行成。一条天皇は「定子…よくやった」とひとりつぶやいた。
史実を知る視聴者は…
このシーンは、「彰子の入内」と「定子の出産」という、これからの物語を大きく左右するであろう大イベントに注目が集まったと考えられる。
彰子は入内した6日後、999年11月7日に女御として一条天皇の妻となるが、まさにその日に定子は敦康親王を出産した。この時、彰子は満11歳。今の時代なら小学5年生だ。新しく女御となった彰子と中宮・定子とその皇子・敦康親王。今の一条天皇にとってかけがえのない存在はどちらなのか、もはや考えるまでもない。
X(Twitter)では、「出産後真っ先に定子の無事を確認できる一条天皇は、まさにおのこの鑑」と、一条天皇の定子に対する思いやりが称賛されている。同時に、史実を知っている視聴者は、まもなく訪れる一条天皇と定子の別れを惜しむ声が多く上がっている。仲睦まじい2人に訪れる今後の悲しい展開にも注目だ。
一方、ミステリアスな雰囲気のまま、いまだ目立った言動のない彰子の動向も見逃せない。彰子はやがて後一条天皇と後朱雀天皇、2人の天皇の生母となる。また、当時としては非常に長寿で、87年の生涯を過ごす(※彰子の母・源倫子は90歳まで生きた)。
その永い生涯ゆえに親しい友人・家族にも次々に先立たれながら、国の平和を祈りながら朝廷で存在感を放ち続ける。幼い彰子がこれからどのように困難を乗り越え成長していくのかも、これからの物語の楽しみと言えるだろう。定子が背負う中関白家と、彰子の実家である御堂流の激しい権力争いに今後も注目だ。