――五味をどんなふうに演じたいですか?
きっと、まだまだ男社会の警察の中で刑事として生きてきて、いろんなことを経験してきていると思います。最初のシーンで冴木をからかうシーンがあるのですが、口ではそう言ってても、本当は後輩のことをすごく思っているだろうし、冴木もそれを分かっている関係性というのが素敵だなと感じました。分かりやすく面倒見がいいタイプではないと思うけれども、周りもそれは分かっているっていう人なんだろうなと。
私自身、今年36歳で、今回も現場は後輩がたくさんいるので、そういう自分自身の経験を反映しつつ、五味っていう事件のストーリーテラー的な部分がある役をナチュラルに受け止めてもらえたらうれしいです。
――これまでの作品を見ていると、警察とか刑事の役を多く演じてきた印象です。
たしかにそうかもしれない。警察って基本的にクールな役が多いので、そういった部分でお声がけいただいているのかもしれないですね。
――黒木さんとしては、クールな役以外にも挑戦してみたい気持ちはありますか?
今だったらいろいろできそうな気がするんですけどね。例えば、警察に追われるような悪役もやってみたいなとは思いますね。
――悪役を演じたいのはなぜでしょう? ダークヒーローものの作品が好きだから、とかでしょうか?
基本的に、作品を観るときは「自分がこうしたい」と思って観てはいないんです。ただ昔から悪というか、海外のマフィア映画とかが好きなので、そういった作品にも興味がありますね。
今は韓国ドラマがお気に入り
――作品を観ていて、つい仕事のことを考えてしまうことはありますか?
私は、ほとんどないタイプです。映像と映像のつながりが気になるときはありますけど、単純に視聴者として楽しんでいます。今は韓国ドラマがお気に入りです。
――どんな韓国ドラマが好きなんでしょう?
恋愛ものとか、お受験ドロドロ系です(笑)。それから、激しめのアクションの作品も観ていますね。
――なるほど。普段、オンとオフの切り替えはどうされていますか?
ありがたいことに、子どもができてからオン・オフの切り替えは、すごく楽になりました。帰ったらもうお母さんなので、仕事スイッチが自然に切れるんです。最近は、韓国ドラマのビハインドシーンやメイキングを観て、「あ、そうだ! 現場ってこんなに人がいるんだよな」「こんなところにレフがあって、こんなとこにマイクがあるんだな」とイメージしておくようにはしています。
――逆に仕事モードになるのはどのタイミングなのでしょうか?
移動中ですかね。移動中に、なんかこうグーっと集中することが多いかもしれないです。
――今後はどんなペースで俳優としてのキャリアを歩んでいく予定でしょうか?
この業界に関していうと、子どもがいるパパやママに対する理解は昔よりもある印象です。ただ、SNSで、バリバリ働きながら家事を完璧にこなしている方を見ると焦る気持ちもわかります。でも、そういうのを見たとしても、周りと比較せず自分のペースで歩んでいきたいです。
黒木メイサ
1988年5月28日生まれ。沖縄県出身。2004年にモデルデビューし、俳優としても活動を開始。以降、さまざまな映画やドラマなどで活躍。現在は、ハワイと日本を拠点に活動し、2児の母でもある。