正しいスコーンの食べ方は2通り!? 本場のアフタヌーンティーを体験

  • アスコットティールーム

英国文化を体感する上で欠かせないものといえば、やはりアフタヌーンティーであろう。「アスコットティールーム」では、約20種類の紅茶を取りそろえ、本場英国のアフタヌーンティーと家庭料理を味わえる。

1階にはティールームとテラス席があり、2階にはクラフトルームがある。同店でも「Hello, how many?(何名様ですか?)」と英語で尋ねられるので「Just one.(私一人です)」「Table for 2, please.(2人席をお願いします)」などと返すといいだろう。

  • アフタヌーンティー

「アフタヌーンティー」(2,800円/人)は、自家製のスコーン(プレーン、レーズン、チーズの中から2種類選べる)をはじめ、サンドウィッチやキャロットケーキ、季節のタルトがスタンドに盛られて登場するほか、好みの紅茶を1種類選ぶことができる。

加えて、アフタヌーンティーの内容に温かいお肉や魚料理をプラスした「ハイティー」(4,000円)も提供している。ハイティーはもともと、19世紀後半に夕食として労働者に振る舞われていた食事だという。

  • 左が「デヴォンシャー式」、右が「コーンウォール式」

ここでいくつかのティーマナーを教えてもらった。はじめに、ティーフードは手を使って食べて問題ないとこのこと。食べる順番は自由だが、同店ではスコーンとキッシュが温かい状態で提供されるため、迷ったら温かいものから食べるのがおすすめだという。

スコーンは、手を使って横半分に割り、割ったところにナイフでクロテッドクリームとジャムを塗っていただく。実はこの塗り方、本場の英国では2通りあることをご存じだろうか。

クロテッドクリームを先に塗りジャムをのせるクリームファーストな塗り方を「デヴォンシャー式」、ジャムを先に塗り、クロテッドクリームで覆うジャムファーストな塗り方を「コーンウォール式」と呼ぶ。同名の2つの地方から始まった食べ方のため、この名がつけられたそう。塗り方の順番で味わいが変わるため、好みの食べ方を探るのもこれまた一興。

またポッドの紅茶がなくなったり、渋くなったりしたら「差し湯」をお願いすることもできるので覚えておこう。

伝統文化体験がかなう「英語カルチャーレッスン」

ブリティッシュヒルズ、英国の伝統文化を体験できる「英語カルチャーレッスン」が日替わりで開催されている。クッキングやカリグラフィー、スヌーカーなどさまざまあるが、今回は「ティーブレンディング」を受講してみた。

  • 英語カルチャーレッスンの様子

このレッスンでは、カリブ海の島・バルバドス出身の先生が担当してくれた。実は、本施設の教師陣はコモンウェルス(英連邦王国)出身者のみのネイティブスピーカーで構成されている。

レッスンでは紅茶にまつわるクイズにはじまり、紅茶のタイプやグレードを学ぶ。その後フレーバー・香りの英語表現や各紅茶の特性を学び、実際に各々ティーブレンディングを行う。ワークシートを使い紅茶の味わいを表現する英語を学んだり、参加者同士で好きな紅茶について英語で語り合ったりするシーンもあった。

教科書を使いながら机に向かって勉強をするよりも、アクティビティの一環で英語を用いることで、実用的な英語力が身についたように感じた。

パブでオリジナルビールやディナーを満喫

今回、夕食は伝統的なブリティッシュパブを再現した「フォルスタッフパブ」でいただいた。ディナータイムにはシーズナルコースメニューやフィッシュ&チップスを、19時半以降のカクテルタイムにはスナックやビール、カクテルなどをキャッシュオンデリバリーで楽しめる。

  • フォルスタッフパブ

はじめに、予約している場合は「I have a reservation under the name of Tanaka for 6PM.(6時に予約している田中です)」などとスタッフに伝えるといいだろう。

着席したら「Can I have a beer, please?(ビールを1杯ください)」などのように好みのドリンクをオーダーしてみよう。同店ではオリジナルビールの「ブリティッシュヒルズ プライド ブロンドエール」や、創立30周年を記念した「イングリッシュエール」のほか、英国で定番の「ギネスビール」も味わえる。

  • ラムモモ肉のロースト

訪れた日のシーズナルディナーでは自家製スモークサーモンを使った前菜にはじまり、春ゴボウのクリームスープ、ラムモモ肉のロースト、パン、チェリーパイのアングレーズソースなどが振る舞われた。

ちなみにラムモモ肉のローストには皮付きのベイクドポテトが添えられていたのだが、皮がついたジャガイモがジャケットを着ているように見えることから、イギリスでは「Jacket Potato」と呼ぶことがあるそうだ。

猫足バスタブを完備したクラシカルな客室に宿泊

  • ターナー

この日は、中世英国の雰囲気を再現した一般棟に宿泊。宿泊棟は学生など団体客が利用しているというドミトリー棟が5つ、一般棟が3つあり、それぞれ英国偉人の名前がつけられている。今回私はターナーという一般棟に宿泊した。

  • ゲスト共用のラウンジ

各宿泊棟にはゲスト共用のラウンジが設けられており、コーヒーや紅茶を自由に味わえる。ターナーをはじめとする約35平方メートルのスタンダードツインルームは、ベッドエリアに書斎、テレビと椅子が設けられたリビングエリアに分かれている。

棚に収められたテレビは、電源を入れるとイギリスのBBC放送が流れるようになっており、さながら英国に滞在しているよう。

  • クラシックな猫足バスタブ

さらにバスルームは英国伝統様式で、クラシックな猫足バスタブもある。凝った装飾やタイル張りがなんとも愛らしい。

クラシカルな部屋で熟睡した翌日の朝食はビュッフェスタイルで、「レフェクトリー」にていただく。パンや卵料理、ソーセージ、ベーコン、ワッフル、パンケーキなど英国らしいメニューがそろう。もちろん、朝食の案内も英語で行われ、最後までどっぷり英国気分に浸かることがかなった。


日本にいながら英国さながらの体験ができるブリティッシュヒルズ。英語でのコミュニケーションが基本だが、日本人スタッフもいるため困ったときも安心。標高も高く冷涼な気候なので、夏の避暑地として、週末のプチトリップ先として、また短期留学先として重宝するだろう。

■Information
「ブリティッシュヒルズ」
【住所】福島県岩瀬郡天栄村大字田良尾字芝草1-8
【受付時間】9:30~18:00(年中無休)