――お互いの印象は、いかがでしょうか。

小池:仲野さんは、いち視聴者として見させていただいて、硬派な役から情けない役、怪しい役、胡散臭い役……そんな感じで目まぐるしくいろんな顔を見せてくださる方だなと思います。その中で、こんなに肩に力の入っていない役者さんってすごいなと思ったんです。「この役はこうだからこうするんだ」ってあんまりガチガチに決めないで、そのシーンの温度みたいのを大切に、自分の役の範囲内で遊んでらっしゃる方なのかなって、リハを一緒にやらせてもらって瞬時に思いました。

仲野:小池さんは、もう僕が子どもの頃から活躍されていて…

小池:私そんな前からやってないって(笑)。まだ43だっつーの!

仲野:すいません、大ベテランみたいな言い方して(笑)

小池:いえいえ、うれしいですよ。

仲野:とにかくいろんなフィールドで活躍されていて、「できないことはないんじゃないか」と思うくらい、本当にスマートですよね。お芝居をしてもそうですし、バラエティもそうですし、本当に頭いい方なんだろうなって思って。それでいて、どんな局面でも、どんな立場や役柄でも、誠実さが伝わってくる。仕事に対するプロフェッショナルさを日頃から感じていて、いつかご一緒できたらいいなと思っていたので、今回はたくさん学ばせていただこうと思っています。

小池:頑張るけど、気づいたら「キツいよ太賀くーん。ヤバいどうしよー」って言ってると思うよ(笑)

仲野:もういくらでも弱音吐いてください(笑)

――小池さんはバラエティの経験がお芝居に生きることもありますか?

小池:コント番組をやらせていただいたときは、芸人さんたちに「こういう間でやったほうがいい」とか、いろいろ教えていただきましたけど、普段のバラエティは全然違った脳みそを使ってる感じがするんですよね。でも、こういう取材のときには生きているかもしれないです。お話しするのも好きですし、バラエティを続けさせてもらってるので、常にフル回転でいるという感じですね。

仲野:ドラマの撮影はもちろんですが、番宣でバラエティに一緒に出たり取材を受けるのは楽しいですし、頼もしいなと思いつつ、僕も背中を追いかけられるように頑張りたいですね。

小池:どうせだったら楽しく番宣やって、見てる人が楽しんでくれて、1人でもドラマも見てみようと思ってくれたらうれしいですからね。

――小池さんがバラエティの分野でも活躍される一方で、仲野さんはアラスカを80km歩いて旅するロングトレイルのドキュメンタリーがYouTubeで配信されて話題になりました。非常にタフなロケだったと思いますが、お芝居に生きるものはありましたか?

仲野:30代に入って守りに入るのではなく、いろんな物事においてとにかく挑戦を続けていきたいなと思っていた中で、ロングトレイルのお話を頂いて。興味があったし、アラスカにも行ってみたかったので、それが経験できて、仕事でも臆することなく常に挑戦するという気持ちがまた強くなりましたね。

――『ハイパーハードボイルドグルメリポート』の上出遼平さんが参加されていますが、どのような経緯でスタートしたのですか?

仲野:今回のドラマでもご一緒しているスタイリスト伊賀大介さんの紹介でお会いする機会があって、3人で食事をしたんです。その日に上出さんから「一緒にアラスカ行きませんか?」って企画書渡されて、すぐ「行きたいです!」とお返事したのがきっかけです。

――そこで即答できるのが、さすがです。

  • 小池栄子、仲野太賀

コワモテの人、一家に1人必要説

――今作は新宿・歌舞伎町が舞台ということですが、この地に思い出などはありますか?

小池:私は高校生になってからアルタのあたりに遊びに行ったりしましたけど、今回、歌舞伎町で深夜ロケをやらせていただいて、ずいぶん若い子が多いなと感じました。でもそういう子たちを見て、心から楽しんで朝まで時間をつぶしているようには見えなかったんですよね。年齢的にも母心で心配になりました。

仲野:僕は新宿が地元から近いので、小さい頃からいろんな思い出がありますね。歌舞伎町だと、昔、新宿スカラ座という大きい映画館があって、そこで『ハリー・ポッター』を見るために、母と並んだ記憶があります。その帰り道に、すごくコワモテのおじさんとすれ違って、「この街怖い」と思ったんですが、新宿から地元の駅に着いたときに迎えに来てくれていた父(中野英雄)の見た目が一番怖かったことを思い出しました(笑)

小池:灯台下暗し(笑)

仲野:やっぱりコワモテ俳優だなって思いましたね(笑)

小池:でも、お父さんが隣にいてくれたら変な人が絡んでこないからいいじゃん。私も旦那さん(元プロレスラー・坂田亘)と歩いてると絡まれないから、やっぱコワモテの人って家族に1人必要なんだよ(笑)

仲野:確かに(笑)

――では最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

小池:宮藤さんの脚本ということでとても期待されていると思いますので、その期待を裏切らないように一生懸命頑張ります、のみですね。ホットなものをお届けしたいなと思っております。

仲野:小池さんと同じ思いです! 楽しんでもらえるように一生懸命頑張りたいと思うので、気楽に見てもらえればと思います。