主演の長谷川については「役者さんとしてすごく面白いです。初めて見るタイプの方だなとも思います」と印象を語る。
「通常は自分の役柄を作ってから現場に入る人が多い気がしますが、長谷川さんは明墨という役をその現場で作っていくんです。その姿をまじまじと目の前で見られるので、現場にいるだけで面白いし、楽しいです。長台詞は場を持たせるのがとても難しいのですが、長谷川さんはそこもよく考えられていて、発する言葉や動きにいつも新鮮味があるし、それをずっと保ったまま発信されているところがすごいなと感じます」
さらに「長谷川さんの座長ぶりを、すごく吸収させてもらっています。主演としての立ち振る舞いや、長台詞の言い方だけではなく、自分が台詞をしゃべっていない時に、どうそこにいるのかも見て学んでいます」と、長谷川から得るものが非常に多いと言う。
明墨を筆頭に、弁護士の赤峰柊斗(北村匠海)、同じく弁護士の紫ノ宮飛鳥(堀田真由)、白木と同じパラリーガルである青山憲治(林泰文)ら明墨弁護士事務所のメンバーについても話を聞くと「明墨事務所の5人、犬のミルも入れたら6人ですが、みんなでいるととても居心地がいいです」とチームワークの良さを口にする。
また、新境地の役柄に挑んだ堀田について「普段の真由ちゃんはいつもニコニコしていて、常にいろんな言葉に反応してくれるんです。でも紫ノ宮は逆で、クールだし笑わないし反応してくれない。真逆過ぎる役だから相当難しかったと思いますが、真由ちゃんは現場で紫ノ宮としてちゃんと存在しています。紫ノ宮はポーカーフェイスですが、繊細な気持ちの表情を、真由ちゃんは目や眉毛でちゃんと表現されていて、そこが彼女のお芝居の魅力だなとも感じました」と称える。
ちなみに大島は白木というキャラクターが自分自身に近いと感じているそうで「最初に本読みをした時点から、プロデューサーの飯田さんから『そのままでやってもらって構わないです』と言われたので。 たぶんそのままだと思います」と屈託なく笑う。
“ラスボス”野村萬斎との対峙シーンに緊張
9話では、ラスボスの検事正・伊達原泰輔(野村萬斎)と対峙するという見せ場もあり、白木の新しい一面に心を動かされた視聴者も多かったのではないか。大島は「これまでの白木は、誰かと対峙するシーンなんてなかったし、それが最後の最後で野村萬斎さんとのシーンとなったので、今までの撮影で一番緊張しました。でも、役としても緊張していいシーンだったので、逆に緊張していることが功を奏しているんじゃないかと思いながら、自分の感情をそのまま受け入れつつ演じていきました」と撮影を振り返る。
SNSでは、たくさんの考察コメントが上がり、盛り上がりを見せている本作。大島は自身が演じたドラマでありながらも、視聴者と同様に、各キャラクターの意外な一面が露出するたびに、心を揺さぶられてきたと言う。
「冒頭の1話での明墨先生の接見室のシーンから、伏線はすべてにおいて散りばめられていたので、私は毎回1話ごとに『わあ! 緋山(岩田剛典)』とか『わあ! 伊達原』とか、役名を声に出して叫んできましたが、ようやく9話で『白木!』という感じになってもらえていたらうれしいです。また最終話でも『白木!』となっていただけたらと。とにかく皆さんがどういう風に感情を動かされるのかがすごく楽しみです」と期待感を煽る。
さらに、作品全体の魅力について「正義と悪が表裏一体で、どう転ぶかわからないということを身近に感じました。私は実際の裁判を傍聴しに行きましたが、裁判は一日中やっているので、こんなに罪を犯した人が世の中にいるんだなと改めて思いました。だから、正義とか悪というよりは、魔が差して罪を犯してしまうことって誰にでもあることなんだなと感じましたし、『アンチヒーロー』という言葉を作ったことにも納得しました。アンチだけどヒーローになっちゃうし、ヒーローだけどアンチにもなりえるみたいなことで、本作は誰にも判断できない難しいラインを突きけられる作品だなと思いました」としみじみと語る。
最後に、最終回に向けて「10話でも、え! まさか! というような展開となるので、本当に最後まで気が抜けないと思います。ギアが上がりっぱなしで終わるので、皆さんには心の準備をしておいてほしいです」とメッセージを送った。
1988年10月17日生まれ、栃木県出身。2006年よりにAKB48の中心メンバーとして活躍し2014年に卒業。その後も女優として多くの作品に出演。2015年、『ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~』で連続ドラマ初主演。近年の主な出演作は、ドラマ『東京タラレバ娘』(17、20)、『スカーレット』(19)、『七人の秘書』(20)、『青天を衝け』(21)、『ネメシス』(21)、『正義の天秤』(21)、映画『七人の秘書 THE MOVIE』(22)、『天間荘の三姉妹』(22)、『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』(23)など。
(C)TBS