長谷川博己主演のTBS系日曜劇場『アンチヒーロー』(毎週日曜21:00~)で、パラリーガルの白木凛役を好演中の大島優子にインタビュー。連続ドラマへのレギュラー出演は、出産後初となった大島は「なかなか他では感じたことがないような、本当に質の高い現場だなと思います」と充実感に満ちた表情を見せた。
本作は、犯罪者である証拠が100%揃っていても無罪を勝ち取るという限りなくダークで“アンチ”な弁護士・明墨正樹(長谷川)が主人公。毎回、異なる事件を扱いつつも、それらがすべて伏線となり、1つの冤罪事件へとつながっていく。いよいよ次の放送で最終回を迎える中、大島演じる白木凛というキャラクターの実像もようやく浮かび上がってきた。
大島が日曜劇場に出演するのは、木村拓哉主演ドラマ『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』(13)以来、11年ぶり。本作の出演が決定した時は「大丈夫かな? できるかな? という漠然とした不安がありました」と振り返る。
「でも、本読みで顔合わせをした時、スタッフさんや共演者の皆さんの気合の入り方がすごくて、それぞれのスピーチを聞いた時、よしやるぞ! やるしかないなと、私自身も背中を押されたというか、尻を叩かれたような気持ちになったんです。そこからは緊張や不安よりも、ちゃんと白木凛として役を担えたらと切り替えてやっていきました」
加えて「プロデューサー(飯田和孝)が4年間温めて大切に作ってきた企画というだけあり、そこに対する思いや、一致団結しているという雰囲気がありました。毎回撮影をしていても、みんなが本当にいいものを作ろうと思ってやっているなと感じます」とも語った。
現場においては「すごく細かい設定までも、みんなが意見を出し合うような現場です。だから疑問点や腑に落ちないことも、みんなで一緒に解決し、納得して、次に進めます。空気感もいいし、それぞれがプロフェッショナルだからこそ成り立っている現場なのかなと」と、このチームでのやりがいを心から感じている様子。
演じている白木凛に共感「自分と通ずるものがある」
明墨法律事務所で弁護士の業務をサポートするパラリーガルの白木凛については「勝手な想像ですが、自分も弁護士を目指していたけど、今はパラリーガルでやっていくと決めたというか、きっと挫折も経験してきたのかなと。ただ明るく陽気でポジティブな人ではなく、いろんな過去の経験を経た後に形成されたキャラクターなのかなとも感じています。そこは自分と通ずるものがあるというか、なんだかわかるなあと思いながら演じています」と、役にとても共感できたとか。
要所要所で白木が何か言いたげな含みを見せるシーンもあったが「視聴者をどう惑わせようかと考えながら演じているわけではないのですが、やっぱり明るくてテンションが下がらない人って異様ですよね。そういう意味で、皆さんがいろいろと考えてもらったとしたら、そういう風に演じてよかったなとは思います」と語る。
さらに、「このドラマの登場人物は個性が強いので、明るく陽気に見える白木は中和剤というか、バランスを取ってそこにいる存在なのかなと。でも、ちゃんと事件を一個ずつわかりやすく、自分の言葉で発している、いわば視聴者の方に一番近い感覚で感想を発しているような立場かなとも思っています」と俯瞰でもキャラクターを捉えている。
放送後の反響については「最初は誰からも連絡がなかったのですが、2話、3話目ぐらいから『ドラマ、観てるよ』と言われ、他の現場やプライベートで行った美容室などでは、会う人みんなが『自分なりの考察を言ってみるね』と言い始めました(笑)。それで、みんなが楽しんで観てくれているなという実感が湧きました」とうれしそうに話した。