主演の長谷川については「とにかく明墨という役柄を演じるのは本当に大変なことだと思いますが、長谷川さんはその役柄に憑依しているかのような芝居をされていて、感服するばかりです。僕なんかがコメントするのもちょっとおこがましいのですが、なかなか普通はできないことなので、お見事としか言いようがないです。大変な現場でかつ大変な役柄だと思いますが、 それをこのスケジュール感でやりきるという人間力の高さを、僕はそばで見ていてすごく感じました」と絶賛。

長谷川とは、現場であまり芝居の話はしないそうで「ご飯屋さんの話やファッションの話とか、世間話などをしていました。長谷川さんは、撮影現場からで前室に戻ってくるとパッと切り替えられるので、いろんな話をさせていただきました」と述べ、「弁護士事務所の皆さんはすでにチームワーク出来上がっていて、アットホームな雰囲気です。皆さんはずっと1日中、缶詰みたいな撮影日が続く中で、僕がちょこちょこ間に入っていくみたいな感じだったから申し訳ないなと思っていました」と現場の様子を明かす。

これまで撮影した中で、印象に残っているのは、北村匠海演じる明墨の事務所で働く弁護士・赤峰柊斗との共演シーンだと言う。

「2話の雨降らしのシーンは山奥でタンク車を使って、スプリンクラーで雨を降らすという大掛かりな撮影だったから、すごく記憶に残っています。3月頭でとても寒かったのですが、2人でめちゃくちゃ頑張りました。匠海くんは優しくて、カップラーメンを持ってきてくれたので、外のパイプ椅子に座って一緒に食べました」

岩田によると、8話でも北村との重要なシーンがあるそうで「匠海くん演じる赤峰との対話のシーンは、緋山にとってキャラクターを作っていく上でとても大切でした。そこで一番重要な緋山の人となりや過去がようやく分かるというシーンになっています」とのこと。また「8話は肝になっていて、過去に起きた出来事が緋山にも影響していることがわかります」という意味深発言がなんとも気になるが、そこは放送を見て確認していただきたい。

最後に、いよいよクライマックスに突入していく『アンチヒーロー』の見どころについて聞いた。

「このドラマは各キャラクターが話をまたいでシンクロしていくので、最後まで観ないとわからないのかなと。特に1話の接見室でのシーンはめちゃくちゃ重要で、ただの主人公のヒーローカットではなく、すべての物語のスイッチになっています。また、緋山が5話で再登場した理由も、あとでわかるだろうし、彼の関わった事件だけじゃなくて、その後の裁判もすべてが繋がっていきます。いわば最後までご覧になっていただいた人にしか得られない満足度がある作品かもしれません。実に見事にパズルが組み込まれていますので、この先も楽しみにしていただきたいです」

■岩田剛典
1989年3月6日生まれ、愛知県出身。三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーとして2010年にデビューし、2014年にEXILEに加入。2021年にソロデビューも果たした。俳優としては映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(16)で映画初主演、『去年の冬、きみと別れ』(18)で初の映画単独主演。近年の主な出演作は、映画『ウェディング・ハイ』(22)、『死刑にいたる病』(22)、『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』(22)、ドラマ『あなたがしてくれなくても』(23)、『アンチヒーロー』(24)、Netflix『金魚妻』(22)など。

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