昨年からの最も大きな変更点と言えるのは、アンバサダーを務めた松本人志が芸能活動を休止したことに伴い、新たに「ハイパーゼネラルマネージャー」として有田哲平(くりぃむしちゅー)、「スペシャルサポーター」として博多華丸・大吉が、グランプリファイナルを見守ることだ。

前回松本にオファーしたのは、「ベテランの漫才師さんが、この人に“面白かった”と言ってもらえたらうれしいと思ってくれる方に、現場で見てもらいたいということと、審査員のお客さんとは違った目線でコメントしてくれる方がいるといいなと思ったんです」(日置氏)という理由から。

今回、その役割の1人を有田に託したことについて、日置氏は「僕は子どもの頃に『ボキャブラ天国』(フジテレビ)を見ていて、漫才とかコントというものがあるんだと知ったきっかけになったのが、海砂利水魚さん(後のくりぃむしちゅー)、爆笑問題さん、ネプチューンさんという人たちだったんです。その中で有田さんにお願いしたのは、海砂利水魚さんは漫才のイメージが強かったのと、他局でもいろんな芸人さんをプロデュースしたり、面白くするということを積極的にやられている方なので、ベテラン漫才師さんも有田さんに見てもらえるとうれしいと言っていただけるんじゃないかと思いました」と狙いを明かす。

実は、前回大会から有田には『THE SECOND』に関わってほしいという思いを持っていたが、当時は同時間帯に有田のレギュラー番組『世界一受けたい授業』(日本テレビ)が放送されていたことから断念。かつて『ペケ×ポン』を手がけ、現在は『全力!脱力タイムズ』も担当する石川氏から今回オファーしたところ、有田は今まで賞レースからあえて距離を置いていたこともあり、かなり熟慮したそうだが、最終的に「フジテレビさんもお困りでしょうから」と快諾してくれたという。

石川氏は「何より良かったのは、出場者の人たちから“有田さんにネタを見てもらいたいから、ファイナルに残りたい”という声があったことです。視聴者の方の反応も良かったので、受けていただいて本当に感謝しかないです」と語る。

ちなみに、「ハイパーゼネラルマネージャー」という独特の肩書きについては、「有田さんと3回くらい打ち合わせをして、阿吽(あうん)の呼吸で決まりました(笑)」(石川氏)とのこと。これまで、お笑い賞レースの番組に関わってこなかった有田の登場は画期的だが、MC・東野幸治との共演もこれまでほとんどないだけに、当日は新鮮な並びが見られそうだ。

  • 「ハイパーゼネラルマネージャー」くりぃむしちゅー・有田哲平(左)と「スペシャルサポーター」博多華丸・大吉

賞レース番組のイメージがない有田&華丸に注目

一方の華大に関して、日置氏は「有田さんが“松本さんの代わり”となってしまうと、有田さんもプレッシャーだと思いますし、視聴者の方からもいろんな見え方をされてしまうので、1人が背負うという感じはよくないと思ったんです。その中で、有田さんは最近は漫才の舞台に立たれていないので、現役で寄席に出られている方で、なおかつ漫才師からもリスペクトされ、漫才師にリスペクトのある方、そして『THE MANZAI』というフジテレビの賞レースで優勝されている方ということで、お願いしました」と、オファーの経緯を説明。

大吉は『M-1グランプリ』で審査員をしているが、有田と同様に賞レース番組でのイメージのない華丸の存在とコメントも、今回の注目点となっている。