『花咲舞が黙ってない』 土曜21時~ 日テレ

出演者:今田美桜、山本耕史、上川隆也ほか
寸評:なぜこの作品をリメイクするのか。杏のシリーズは『半沢直樹』直後で池井戸潤と勧善懲悪のブームだったが、現在そのムードはなく、売りの爽快感は軽め。マーケティング重視で企画を決める日テレらしくない選択で、朝ドラ主演を控える今田にとって代表作になるかは疑問。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

  • 今田美桜


『街並み照らすヤツら』 土曜22時~ 日テレ

出演者:森本慎太郎、森川葵、浜野謙太ほか
寸評:ベースはクライムサスペンスだが、危うさが伝わってこないのは、商店街の再生、地元仲間との絆、コメディと要素が多く、焦点が絞りづらいからか。伸び盛りの主演に加えて助演に演技巧者がそろうだけに、トラブルで急仕上げを余儀なくされた脚本・演出の密度が鍵を握る。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

  • 森川葵


『東京タワー』 土曜23時~ テレ朝

出演者:永瀬廉、松田元太、板谷由夏ほか
寸評:「20歳差の年の差不倫」にトップアイドルを起用した確信犯の作品。ある意味で王道のアイドルドラマであり、永瀬にとっては大人俳優への道を切り拓く上で勝負作の1つ。ポイントは性的な刺激ばかりに頼らず、あえて23年前の小説を令和によみがえらせた意味をストーリーの中に盛り込めるか。労を惜しまぬ東京ロケにも期待がかかる。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】

  • 板谷由夏


『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の2番目の憂鬱』 土曜23時~ テレ朝

出演者:高橋一生、橋爪功、本田翼ほか
寸評:まさかの第2弾。しかも花火店が舞台の物語でありながら、またも夏ではない季節に放送。ともあれ、橋爪が演じる幽霊と高橋のゆるい会話劇は不変で脱力した世界観が貫かれている。本田を加えた3人の関係性に宮本茉由が演じる謎の女性が参戦。こちらは幽霊が見えず、しかも主人公にプロポーズするなどの波紋による変化が見どころの1つ。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

  • 高橋一生


『おいハンサム!!2』 土曜23時40分~ 東海テレビ・フジ

出演者:吉田鋼太郎、木南晴夏、佐久間由衣ほか
寸評:こちらは既定路線の第2弾。短くも味のあるエピソードをつなぎ合わせる繊細な技は健在で、目を凝らすほどカット割りやカメラワークの工夫が伝わってくる。随所にはさまれる食事シーンの主張も、吉田の押しつけがましくないレベルのハンサムぶりもほどよく、脚本・演出・プロデュースのすべてを手がける山口雅俊のセンスそのものか。ヒット作をすかさず続編→映画につなげるマネタイズに東海テレビの本気。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

  • 吉田鋼太郎


『アンチヒーロー』 日曜21時~ TBS

出演者:長谷川博己、北村匠海、堀田真由ほか
寸評:謎多き主人公に情報を伏せたPRがフィット。『VIVANT』と同じ手法であり、スタートダッシュに成功した。長谷川の法廷シーンは圧巻で『リーガル・ハイ』の堺雅人と比べたくなるほどの吸引力がある。部下たちも正体がつかめず翻弄される主人公に視聴者も釘付けになるのは必然で、終盤は検事正・野村萬斎との因縁や対決で盛り上がりそう。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

  • 長谷川博己


『ミス・ターゲット』 日曜22時~ ABC・テレ朝

出演者:松本まりか、上杉柊平、沢村一樹ほか
寸評:苦労人の松本がついにつかんだ全国ネット地上波連ドラ初主演。それだけで応援したくなる感はあるが、「結婚詐欺師が本気婚活」というコンセプトはいかにも軽い。序盤で「男の基準は金」「普通の恋愛経験はゼロ」という主人公を応援したいという気持ちにさせられなければ苦戦必至か。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

  • 松本まりか 撮影:宮田浩史


『ACMA:GAME アクマゲーム』 日曜22時30分~ 日テレ

出演者:間宮祥太朗、田中樹、古川琴音ほか
寸評:ぶっ飛んだ設定は休日朝の特撮ドラマを彷彿。原作漫画から設定年齢を変えたことで、各所に違和感が表れてしまった。『カイジ』『ライアーゲーム』『イカゲーム』のようなヒリヒリ感は薄く、リアリティ度外視の分残酷なまでに追い込んだほうが視聴者を引きつけられたのでは。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

  • 間宮祥太朗